ネット通販が身近になり、海外のサイトから手頃な価格の服を買う機会が増えたと感じる人もいるようだ。一方で、衣類の安全性は商品写真や価格だけではわかりにくい。厚生労働省が2025年5月に公表した、オンラインで販売されている家庭用品の試買調査では、繊維製品105点のうち、乳幼児用のよだれ掛けや衣類など計4点でホルムアルデヒドの基準値超過が確認されたという。

一般財団法人ニッセンケン品質評価センターが20〜69歳の男女1,030人に行った調査では、海外通販サイトの衣類に安全面の不安があると答えた人が67.8%にのぼった。毎日身に着ける服を選ぶときの「何を基準にするか」を考えるヒントになりそうだ。

海外通販サイトの衣類に「安全面で不安」67.8%

経済産業省の「令和6年度電子商取引に関する市場調査」によると、日本の消費者が米国・中国の事業者からインターネット通販で購入する「越境EC」の市場規模は、2023年の4,208億円から2024年は4,410億円に増加した。

こうした中、今回の調査で「海外通販サイトの衣類は、安全面で不安がある」に「あてはまる」(「とてもあてはまる」と「ややあてはまる」の合計)と答えた人は67.8%だった。衣料品・繊維製品の安全性について尋ねた項目の中で、最も高い割合となった。

なお、この設問は海外通販の利用経験者だけでなく、全回答者に尋ねたものだ。

安全面の不安、女性50代では76.7%

性年代別に見ると、「海外通販サイトの衣類は、安全面で不安がある」と答えた割合は女性50代が76.7%で最も高く、女性20代と女性60代がそれぞれ72.8%で続いた。男性は20代64.1%、30代62.1%、40代59.2%、50代64.1%、60代66.0%で、どの年代でも女性が男性を上回った。

化学物質への不安44.3%、肌に触れるものは「品質にこだわりたい」62.0%

「製品に含まれる化学物質や有害物質に対して、不安や疑問を感じることがある」に「あてはまる」と答えた人は44.3%だった。

また、「直接肌に触れるものは、品質にこだわりたい」は62.0%、「将来の健康を意識して、衣料品や繊維製品は安全なものを選びたい」は55.4%だった。

安全性が信頼できれば「多少高くても購入する価値」46.0%

「安全性が信頼できる製品であれば、多少価格が高くても購入する価値がある」に「あてはまる」と答えた人は46.0%だった。「どちらともいえない」は37.1%、「あまりあてはまらない」「全くあてはまらない」は合わせて16.9%だった。

この設問は安全性への価値の感じ方を尋ねたもので、実際にいくら多く払ったかや、購買行動を測ったものではない。

認証マークがあれば「乗り換える」66.7%

調査では、繊維・皮革製品の安全性などを対象とする国際的な認証「エコテックス認証」のコンセプトを説明したうえで、ふだん気に入って買っている1,500円の下着には認証マークがなく、他社の商品には認証マークが付いている場面を想定して購入意向を尋ねた。

その結果、66.7%が認証付きの商品への乗り換え意向を示した。内訳は「同じ価格なら、認証付他社ブランドに乗り換える」が46.2%で最も多く、「100円高くても乗り換える」12.9%、「500円高くても乗り換える」5.0%、「1,000円高くても乗り換える」0.9%、「1,500円以上高くても乗り換える」1.6%だった。「今気に入っているブランドを買い続ける」は33.3%だった。

肌に触れるものを買う前に、表示に目を通してみる

海外通販の衣類に不安を感じる人は7割近くいる一方、安全性が信頼できれば多少高くても価値があると考える人も半数近くいた。値段や写真だけでは安全性はわかりにくい。肌着やタオル、子どもの服など肌に直接触れるものを買うときは、素材や品質の表示、販売元の情報に一度目を通してみると、自分なりの選び方が見えてくるかもしれない。

調査委託先:マクロミル 回答者:自身の衣料品や繊維製品を自身で選定する20~69歳の男女1,030人 調査期間:2026年7月24日~同年7月25日 ※数値は小数第2位を四捨五入しているため、グラフ内の表示値の合計と、合計値が一致しない場合がある。