秋の模様替えや衣替えに伴うフリマアプリへの出品、七五三やハロウィンに向けた贈り物など、秋口にかけて荷物を送る機会が増える方も多いのではないでしょうか。しかし、原油高や人件費・物流コストの増加に伴って、10月は運賃改定や各種料金の見直しが行われました。

日本郵便、10月の改定内容

日本郵便は2026年10月1日から、人件費や物流コストの高騰を背景に「ゆうパック」や小型配送サービスの基本運賃などを値上げしました。

ゆうパック

ゆうパックの(基本運賃)は、全国平均 10%超 の引き上げで、荷物のサイズや送り先によって約2%〜40%で変動しました。

サイズ・距離別の影響例として、関東発を例にすると
・都道府県内 60サイズ 820円 → 840円と、約2%の値上げ。
・中長距離では、関東〜近畿の60サイズ 990円 → 1,090円と、80サイズ 1,310円 → 1,440円、100サイズ 1,620円 → 1,780円と約10%の値上げ。
・大型・遠方(140サイズ以上)は、関東〜近畿 170サイズ、3,750円 → 4,500円と約20%の大幅値上げ。

その他ゆうパックは、重量ゆうパックの加算額、ゴルフ・スキー・空港ゆうパックの料金体系も改定後基本運賃ベースに引き上げとなりました。

ゆうパケット(小型薄型荷物)

厚さ別の3段階区分(1cm以内250円 / 2cm以内310円 / 3cm以内360円)を廃止し、全サイズ一律360円となりました。従来360円だった3cm区分は据え置きでしたが、1cm区分は250円から360円となり、110円(約44%)の値上げとなりました。

クリックポスト(ネット決済・ポスト投函)

全国一律185円 → 240円となり、重量上限は1kgから2kgに引き上げられました。サイズ上限は「3辺合計60cm以内、長辺34cm以内、かつ郵便差出箱に投函可能なもの」に変更されました。差出しは原則として郵便ポストへの投函ですが、ポストが満杯・故障している場合や、投函口の横幅のため投函できない場合などは郵便局窓口でも差し出せます。約30%の値上げとなりましたが、運賃が上がった一方で、重量上限が1kg → 2kgになりました。

包装用品(箱・カバー類)

ゆうパック用の箱やバッグカバーなど19品目が平均約10%値上げとなり、例えば箱120サイズ 380円 → 420円になりました。

今回の改定を踏まえると、「薄い荷物はクリックポスト(240円)へ移行する」「ゆうパックはスマホ割(180円引き)や持ち込み(120円引き)で値上げ分を相殺する」といった対策が考えられます。

配送料は値上げされましたが、発送の手間を減らしつつ運賃を安く抑える手段もあります。例えば、デジタルツールや各社の割引サービス、他社サービスとの賢い使い分けです。

日本郵便の割引活用術

郵便局の公式アプリでデジタル割引を活用する

郵便局の発送サービスを利用する際、窓口で手書きの送り状を書いて現金払いにするよりも、デジタルツールや事前決済を活用することで、1箱あたり数百円単位の節約になります。

郵便局アプリの『ゆうパックスマホ割』を活用する

郵便局が提供する「ゆうパックスマホ割」を利用すると、基本運賃から一律で180円割引されます。さらに、受取場所を郵便局に指定(郵便局受取割引)すると100円割引が適用されます。また、前月までの1年間に10個以上の発送があった場合は、運賃がさらに10%割り引かれます(継続利用割引)。

ゆうパケットやクリックポストの使い分け

厚さ3cm以内の小型荷物や書類を送る場合、窓口で支払う通常の「ゆうパケット」は厚さにかかわらず全国一律360円です。

一方、Yahoo! JAPAN IDやAmazonアカウント等で利用できる「クリックポスト」なら、同じ厚さ3cm以内・全国一律240円で送ることができます。

1通あたり120円の節約になるため、発送回数が増えれば大きな差になるでしょう。
ちなみに、両サービスとも送付できるのは、「信書に該当しない書類(または荷物)」に限られますので、その点は注意が必要です。

また、「ゆうパックスマホ割」や「クリックポスト」は、原則として郵便局やポスト等への持ち込み・投函となり、スマホ割やクリックポストは事前クレジットカード決済などが必須となり、窓口での現金払いや電子マネー決済には対応していません。

切手払いで節約する方法も

郵便局の窓口発送では、現金やキャッシュレス決済だけでなく、切手で送料を支払うことが可能です。家で眠っている切手がある場合や、金券ショップなどで事前に切手を安く調達することで、実質的な送料を削減できます。ただし、「ゆうパックスマホ割」や「クリックポスト」といった事前クレジットカード決済を伴うデジタル割引サービスでは切手払いは利用できませんので、注意が必要です。

ヤマト運輸など他社サービスとの比較と賢い使い分け

日本郵便だけでなく、ヤマト運輸などの競合他社でも割引サービスが用意されています。荷物のサイズ、重さ、送り先によって最適な事業者を選ぶことが大切です。

ヤマト運輸のデジタル割引「にゃんPay」

ヤマト運輸の公式アプリから利用できるコード決済サービス「にゃんPay」を利用して宅急便(発払い)を支払うと、運賃が12%割引になります。さらに、「デジタル割(60円引き)」や「持込割(100〜150円引き)」を組み合わせることで、大型サイズでも大幅に安く送ることができます。

「クロネコメンバー割」の事前チャージ

ヤマト運輸独自のプリペイド型電子マネー「クロネコメンバー割」は10%割引、「クロネコメンバー割BIG」は15%割引です。通常のクロネコメンバー割は最低3,000円、BIGは50,000円のチャージが必要です。

注意点として、「にゃんPay」は銀行口座連携、「クロネコメンバー割」は事前チャージが必要です。チャージした電子マネーには失効リスクや使い切りにくさがあるため、発送頻度に応じたチャージ額の管理が必要です。また、サイズ超過時の取扱いはサービスによって異なります。フリマサイト等のネコポスでは宅急便へ変更され、宅急便運賃になる場合があります。一方、通常のゆうパケットは規定サイズを超えると利用できません。

梱包による「物理的」節約術と失敗を防ぐポイント

デジタル割引に加え、梱包段階での工夫が送料節約のうえで、非常に重要です。

送る箱のサイズで配送料が決まる場合、配送箱の外寸(縦+横+高さの合計)がわずか1cm超えるだけで、上のサイズ区分に繰り上がり数百円高くなります。段ボールの角に切れ込みを入れて折り目を調整し、できる限りコンパクトに仕上げるのがコツです。

また、自宅集荷は便利ですが、持ち込み割引が適用されないため、送料が上がります。近くの郵便局、ヤマト運輸営業所、コンビニ、PUDO(宅配ロッカー)などを利用して持込割引を受けましょう。

注意点として、サイズダウンを狙いすぎて荷物を無理に潰したり、緩衝材を減らしすぎたりすると、輸送中の商品破損につながります。補償対象外とされるリスクもあるため、適切な保護とのバランスが大切です。

また、コンビニ持ち込みやポスト投函の場合、集荷タイミングによっては発送手続き完了や追跡反映までに半日〜1日程度のタイムラグが発生します。急ぎの荷物の場合は直接営業所や郵便局の窓口へ持ち込みましょう。

10月の配送料金改定は、家計への負担増となりましたが、「窓口で紙の送り状を書いて現金で払う」発送方法から「アプリ・デジタル決済や条件に合った割引の活用」へシフトすることで、値上げの負担を抑えることができます。

ただし、「集荷不可」「決済方法の制限」といった注意点をしっかり把握しておかないと、逆に余計な手数料や手間が発生してしまいます。各サービスのメリットと注意点を理解した上で、発送コストを賢く抑えていきましょう。