朝食は一日のパフォーマンスを左右するエネルギー源。慌ただしい朝は「何を食べればいいのか分からない」「手軽なもので効率よく済ませたい」という人も多いはず。しかし朝食は、心身にスイッチを入れて必要な栄養素をチャージする大切な習慣です。

連載「パフォーマンスを高める時短モーニングレシピ」では、ボディメイクや栄養学に精通したパーソナルトレーナー・石本哲郎さん監修のもと、多忙な毎日に役立つ朝食術と時短レシピをお届けしています。

第3回のテーマは、「オートミール活用術」。 近年、朝食として定番化されているオートミールですが、その知られざる実力とは?  今回は、オートミールを摂るメリットや選び方、体調や目的に合わせた摂取量を石本さんに解説していただき、フードクリエイターユニット「東京ソロごはん。」によるアレンジレシピをご紹介します。

オートミールが「朝の主食」に優れている理由

—— 一時期のブームを経て、今や朝食の定番として定着したオートミールですが、体へのメリットはどこにあるのでしょう?

石本さん(以下略):オートミールは成分表の数値だけを見ると、何かが突出して高いわけではないんです。例えばサバ缶なら、積極的に摂りたいオメガ3脂肪酸やタンパク質の量が圧倒的に高いといった明確な強みがあります。しかし、オートミールに含まれるタンパク質や食物繊維の量は、実は食パンとそこまで変わりません。白米ごはん一膳分(約150g)にあたる、乾燥状態のオートミール(約60g)で成分を比較すると、意外と脂質も糖質も入っているんですね*。
 *文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)

——数値だけみると、驚くほど優秀というわけではないんですね。

そうなんです。しかし、実際に日常的に食べている人に聞くと、一様に「体調がいい」「お通じが良くなった」「過食が減った」と言います。このリアルな体感の良さが揃っていることが、多くの人がオートミールを選び続けている理由であり、素材の強みと言えます。しっかり咀嚼することや、水溶性・不溶性食物繊維バランスの良さ、ビタミン・ミネラルの比率などが相まって、腸内環境や体の調子を整えるサポートをしてくれているのだと考えられます。

——朝食にする場合、白米やパンと比べてどのようなメリットがありますか?

「血糖値コントロール」と「腹持ちの良さ」です。食パンや白米は「高GI食品」に分類され、食後に血糖値が急上昇しやすい特徴があります。一方、オートミールは主食の中でも「低GI食品」に分類され、血糖値の上昇が比較的緩やか。朝一番に脳や身体を動かす「糖質」を補給しつつも、血糖値が急激に上がりづらいため、午前中のデスクワークにおける急激な眠気やだるさに襲われにくいという利点があります。

さらに、食物繊維と適度な脂質が含まれているおかげで腹持ちも良く、お昼まで集中力を持続しやすいのもポイント。もちろん、白米やパンが必ずしもNGというわけではないので、パフォーマンスを高めたい日やコンディションを整えたい日の選択肢として、オートミールを取り入れる日を増やすのはおすすめです。

「おいしいオートミール」に潜むカロリーの罠

——最近は大手メーカーから、さまざまなタイプのオートミールが出ていますね。

そうですね。お米の代わりに食べやすいよう粒感などを工夫した商品が増えていますし、タンパク質を補強するために大豆タンパクを加えた商品もあります。しかし、中には「おいしく食べやすくするため」に1回、油で揚げているような商品もあるので、注意が必要です。

——オートミールだから大丈夫だと油断して、「実は脂質が高かった」となるのは盲点ですね。

また、ナッツやドライフルーツが初めから混ざっている「オーツ麦シリアル」なども、気づかないうちにカロリーオーバーになりがちです。余計な油脂が足されたものではなく、プレーンなオートミールを選び、必要に応じて自分でアレンジするといいですね。

——市販品を購入する際、パッケージ裏の成分表でそうした罠を見抜くポイントはありますか?

チェックポイントは2つ。まず、「1食あたりの脂質をチェック」すること。プレーンなオートミールであれば、1食(40~60g)あたりの脂質は3g前後でおさまります*。成分表を見て1食あたり、「5g以下」程度であれば許容範囲です。これを超える脂質が入っている場合、余計な油脂が追加されている可能性が高いので注意しましょう。 次に、「原材料表示の一番初めに“オーツ麦”とだけ書かれているか」を確認すること。原材料表示は、含まれている割合が多い順に記載されます。原材料であるオーツ麦以外の成分が足されていない、シンプルなものを選んでください。

*文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)