20年前は、「ボーナスが出たから今年はハワイに行こうか」と、海外旅行の定番だったハワイ。今は円安や物価高の影響で旅行費用が大きく上昇し、「ハワイなんて、夢のまた夢……」と感じている人は多いのではないでしょうか。

では、20年前と比べて、ハワイ旅行には実際どれくらいのお金がかかるようになったのでしょうか。本記事では、為替レートや現地物価、航空券、ホテル代などの変化をもとに、数字で比較しながら見ていきます。

20年前は1ドル110円台、現在は160円前後

まず大きく変わったのが為替です。20年前の2006年は1米ドル110円台で推移していました。現在は160円前後まで円安が進んでいます。

たとえば100ドルの商品を購入する場合、20年前なら約1万1,000円で買えましたが、今は約1万6,000円出さないと買えなくなりました。同じ100ドルの商品でも、日本円では約5,000円高くなり、約45%の負担増となります。

  • 為替の影響を分かりやすく示すため、100ドルの商品を例に試算

    為替の影響を分かりやすく示すため、100ドルの商品を例に試算

ハワイそのものの物価も大きく上昇

問題は為替だけではありません。アメリカではコロナ禍以降、歴史的なインフレが続きました。

特にハワイは、島しょ地域輸送コストが高いうえ、観光需要の回復による人件費の上昇なども重なり、現地の物価は大きく上昇しています。

米労働統計局の消費者物価指数によると、ハワイ都市部の外食価格を示す「Food away from home」は、2006年の186.0から2025年には399.9へ上昇しています。単純計算すると、この約20年で外食価格は約2.15倍になったことになります。

  • 出所:米国労働統計局(BLS)「Consumer Price Index(Urban Hawaii)」、FRED掲載データをもとに筆者作成

    出所:米国労働統計局(BLS)「Consumer Price Index(Urban Hawaii)」、FRED掲載データをもとに筆者作成

実際の商品の価格を比較

イメージしやすいように、スターバックスラテとビッグマックの価格を比較してみましょう。

1. スターバックスラテ

2006年のスターバックスの値上げの記事によると、2006年9月時点の米国では、トールサイズのコーヒーは1.4~1.65ドル、トールサイズのラテは2.4~3.1ドルでした。

現在、ハワイ・ワイキキ店では、トールサイズのコーヒーは3.3ドル、トールサイズのラテは5.5ドルです。

※2006年当時のワイキキ店価格は確認できなかったため、2006年は米国の価格帯、現在はハワイ・ワイキキ店の価格を掲載しています。

2. ビッグマック

The Economistの「Big Mac Index(ビッグマック指数)」によると、米国のビッグマックの価格は2006年1月時点で3.15ドルでした。

現在は、6.12ドルです。
(※米国平均価格であり、ハワイ・ワイキキの店舗価格ではありません)

  • スターバックスラテとビッグマックの価格を比較した表 ※筆者作成

    スターバックスラテとビッグマックの価格を比較した表 ※筆者作成

2006年と2026年を比較すると、ハワイの物価はおおむね2倍に上昇していることがわかります。さらに、円安による為替の影響も加味すると、日本円ベースでの負担は約3倍に膨らむ計算になります。

複数の旅行情報サイトなどを見ると、現在のハワイの物価はおおむね次のような水準です。なお、円換算は1ドル=160円で試算しています。

・コーヒー:約5ドル(約800円)
・フードコートでの食事:約20ドル(約3,200円)
・朝食:約25ドル(約4,000円)
・夕食:約50ドル(約8,000円)

実際に現地を訪れると、その負担増を実感するでしょう。

旅行費用はどのくらい高くなった?

2006年の国土交通省の調査報告書では、ハワイ4泊6日の一般的なフリープラン型パッケージ旅行は「10万円以下」とされています。一方、JTBが現在紹介しているハワイ4泊6日の予算目安は、航空券や宿泊費、食費、現地交通費、観光費などを含めて、1人約36万~41万円以上です。

費用に含まれる範囲が異なるため単純比較はできませんが、ハワイ旅行に必要な予算が20年前より大きく増えていることがわかります。

2026年のハワイ旅行費用

現在、4泊6日のハワイ旅行に行くには、どのくらいの費用がかかるのか、ざっくりとした内訳は次のとおりです。

◆ハワイ(4泊6日)一人あたりの旅行代金
※オフピーク時期に中級クラスのホテルを利用した場合

ESTA申請費:公式サイト(40.27ドル)、代行サイト5,000円〜1万5,000円程度
航空券代金:10万円~15万円
宿泊費:8万円~12万円
食事代:4万円~6万円
交通費:1.5万円~3万円
その他:1.5万円~3万円(お土産代、オプショナルツアー代など)

合計:25万円~40万円

旅行時期やホテルのグレードによって料金は大きく変わりますが、家族4人で行くとなれば、100万円は優に超えるでしょう。

ハワイは人気の旅行先ではなくなった?

日本経済新聞「為替はなぜ動く『あの時のハワイ旅行』おいくら?」によると、2006年にハワイを訪れた日本人は136.2万人で、海外からの渡航者全体に占める割合は57%でした。一方、2025年は日本人渡航者数が73.1万人、全体に占める割合も35%まで低下しており、この20年で日本人観光客は人数・構成比ともに大きく減少しています。

  • 出所:日本経済新聞「為替はなぜ動く『あの時のハワイ旅行』おいくら?」をもとに筆者作成

    出所:日本経済新聞「為替はなぜ動く『あの時のハワイ旅行』おいくら?」をもとに筆者作成

JTB総合研究所がまとめた「日本人海外旅行動向2026 」では、国別、地域別の日本人の海外旅行先のランキングを見ることができます。

2006年と2025年国別・地域別の入国者数ランキングを紹介します。

  • 出所:JTB総合研究所「日本人海外旅行動向2026・観光統計」をもとに筆者作成

    出所:JTB総合研究所「日本人海外旅行動向2026・観光統計」をもとに筆者作成

2006年調査ではハワイは4位でしたが、2025年調査では7位に下がっています。近年は韓国や台湾、タイ、ベトナムなど近距離アジアへの旅行の人気が高いことがうかがえます。

旅行アプリ「NEWT(ニュート)」が実施したSNSアンケートでは、ハワイ旅行をためらう理由として、約7割の人が「旅行費用の高さ」を挙げています。[横山3.1][横山3.2]

●旅行費用が高い・・・68.6%
●他の旅行先の方が魅力的に感じる・・・12.7%
●まとまった休みがとれない・・・10.6%
●以前行ったことがあるので他の場所に行きたい・・・8.1%
出典:旅行アプリ『NEWT(ニュート)調べ』

このように、かつては海外旅行の定番だったハワイも、円安や物価高の影響で旅行費用が大きく上昇し、旅行先として選びにくくなっています。その一方で、韓国や台湾など、比較的近距離の海外旅行先が選ばれている傾向が、これらの調査からうかがえます。

まとめ

2006年は、ハワイ4泊6日の一般的なフリープラン型パッケージ旅行が10万円以下とされていました。一方、現在は航空券や宿泊費、現地での食費などを含め、1人約36万~41万円以上が予算の目安です。

家族で行くとなれば100万円超えは覚悟しないといけない状況です。「夏休みにハワイへ行ってきたよ」と気軽にお土産のチョコレートを配っていた時代は過ぎ去り、今では「ハワイに行ってきたの? すごい!」と驚かれるほど、特別な旅行になりつつあります。

その背景には、約45%進んだ円安に加え、現地の物価がこの約20年で2倍以上に上昇したことがあります。これらが重なった結果、日本人が現地で感じる費用負担は20年前のおよそ3倍に膨らんでいる計算です。

こうした状況を考えれば、旅行先を韓国や台湾など、比較的費用を抑えやすい近距離の海外旅行先が選ばれるのも自然な流れといえるでしょう。

それでもハワイを諦めきれない人は、旅行時期を工夫したり、ホテルのグレードを下げたり、航空券を早めに予約したりすることで、費用を抑えられる可能性があります。「数年後に家族でハワイへ行く」という目標を立てて貯蓄に励むのもいいでしょう。

■参考

Consumer Price Index for All Urban Consumers: Food away from home in Urban Hawaii (CBSA) (CUUSA426SEFV) | FRED | St. Louis Fed

Starbucks raises prices|The Herald-Times

Menu_ Starbucks Coffee Company

Big Mac index | Jan 14th 2006 Edition

Our Big Mac index shows how burger prices differ across borders _ The Economist

為替はなぜ動く 「あの時のハワイ旅行」おいくら?:日本経済新聞

数値で見るハワイ|ハワイ州観光局公式日本語サイト

「ハワイ旅行」に関する調査リポートを公開|令和トラベル

日本人海外旅行動向2026 - 観光統計 - JTB総合研究所

高齢者のニーズに対応した質の高い観光・リゾート地の形成等方策に関する調査(2006年3月)-国土交通省総合政策局旅行振興課

ハワイの旅行費用っていくらかかる?家族・カップルで行く場合も解説-JTB