子どもの入園・入学や習い事を始めるタイミングは、月々の支出や教育費の見通しを考え直すきっかけになる。加えて、食品・日用品の値上がりや住宅ローン金利の変化も、家庭のお金に関係する。教育費を積み立てたりNISAを利用したりしていても、一度決めた金額や計画をそのままにしている家庭はあるだろう。

miraiiが小学生の子どもを持つ保護者340人に行った調査では、98.2%が家計・資金計画の定期的な見直しを必要と感じていた。しかし、そう回答した334人のうち70.4%は年1回以上の見直しを行っていなかった。調査から、子どもの成長と社会環境の変化に対する意識、実際の見直し状況、取り組みにくさが見えてきた。

子どもの成長で96.2%が家計を意識、きっかけは「入園・入学」が最多

子どもの成長に伴い、家計や将来のお金について以前より考えるようになったかを聞いたところ、「とてもそう思う」が58.5%、「ややそう思う」が37.6%で、合わせて96.2%に上った。

具体的なきっかけとして最も多かったのは「入園・入学」の33.2%だった。次いで「習い事を始めた・増やした」が29.4%、「子どもが増えた」が20.6%と続いた。

「進級」は12.6%、「塾・学習費が増えた」は10.9%、「進学先について考え始めた」は10.0%だった。学校生活の節目だけでなく、習い事や塾、進路を考え始めることも家計を意識するきっかけになっている。

一方、社会・経済環境の変化で家庭のお金や将来について考えるきっかけになったものは、「物価の上昇」が73.5%で最多だった。

「NISAなど資産形成制度への関心」が44.1%、「食品・日用品の値上がり」が36.5%、「住宅ローン金利など金利の変化」が28.8%と続いた。「預貯金だけでは将来が不安だと感じること」も26.5%だった。

子どもの成長による教育費の変化に加え、日々の生活費や資産形成を取り巻く環境も、家計について考えるきっかけとなっていた。

家計見直しの必要性を98.2%が認識、一方で年1回以上の見直しは29.7%

子どもの成長や進路、物価・金利などの社会環境の変化に合わせて、家計や将来の資金計画を定期的に見直す必要があると思うかを聞いたところ、「とてもそう思う」が58.2%、「ややそう思う」が40.0%だった。

合わせて98.2%が見直しの必要性を感じている。

ところが、実際に家計や教育費、将来の資金計画を見直す頻度を聞くと、「数年に1回程度」が21.5%で最多となった。「大きな出来事があったときだけ」が20.6%、「1年に1回程度」が19.4%、「半年に1回以上」が10.3%だった。

また、「一度考えた・作成したが、その後ほとんど見直していない」が14.4%、「一度も見直したことがない」が13.8%を占めた。

年1回以上見直している家庭は29.7%にとどまっている。

さらに、見直しが必要だと回答した334人に限って実際の行動を分析すると、70.4%に当たる235人が年1回以上の見直しを行っていなかった。

この70.4%には、数年に1回見直す人や、大きな出来事があったときだけ見直す人も含まれる。見直しをまったく行っていない人だけを示す数字ではないものの、必要性を感じることと定期的な実施には差が見られた。

教育費・将来への備えは「預貯金」55.6%、「NISA」53.8%

子どもの教育費や家庭の将来に向けて、どのような方法でお金を準備しているかを聞いたところ、最も多かったのは「普通預金・定期預金などで貯蓄している」の55.6%だった。

一方、「NISAを利用している」も53.8%と、預貯金に近い割合となった。

そのほか、「学資保険を利用している」が34.4%、「投資信託・株式などで資産形成している」が29.7%、「その他の保険商品を利用している」が24.7%、「iDeCoを利用している」が20.6%だった。「特に準備していない」は6.2%だった。

では、資産形成を始めた後の見直しは、どの程度行われているのだろうか。

NISAや投資信託などを含む家庭の資産形成について聞いたところ、「必要を感じたときに見直している」が32.6%で最多だった。一方、「定期的に見直している」は17.1%だった。

「始めたときからほとんど見直していない」は17.4%、「見直した方がよいと思うが、何を変えればよいか分からない」は13.2%だった。また、「資産形成はしていない」は19.7%だった。

NISA利用者183人に限ると、「定期的に見直している」は26.2%(48人)で、残る73.8%(135人)は定期的な見直しを行っていなかった。

NISA利用者のうち、「始めたときからほとんど見直していない」は17.5%(32人)、「見直した方がよいと思うが、何を変えればよいか分からない」は12.0%(22人)だった。合わせて29.5%が、ほとんど見直していないか、見直し方が分からないと回答している。

見直しの難しさは「何から見直せばよいか分からない」30.6%が最多

家計や資産形成を定期的に見直すうえで感じる難しさを聞いたところ、最も多かったのは「何から見直せばよいか分からない」の30.6%だった。

次いで「NISAなど資産形成の知識に自信がない」が25.3%、「家計全体を整理する時間がない」が24.1%だった。

また、「教育費が今後いくら必要か分からない」は16.8%、「物価や金利など社会環境の変化をどう反映すればよいか分からない」「どの程度見直せばよいのか分からない」もそれぞれ16%前後だった。

資産形成について「始めたときからほとんど見直していない」「見直した方がよいと思うが、何を変えればよいか分からない」と答えた104人に限ると、見直しの難しさはさらに目立った。

この104人のうち、41.3%が「何から見直せばよいか分からない」、40.4%が「NISAなど資産形成の知識に自信がない」と回答した。「家計全体を整理する時間がない」も28.8%だった。

家計の見直しには、お金に関する知識だけでなく、何から取りかかるかを決めたり、整理する時間を確保したりする難しさもあるようだ。

FPへの相談は「資産形成を見直したいとき」が25.0%で最多

家計や資産形成について、FP(ファイナンシャルプランナー)などの専門家に相談するとしたら、どのようなタイミングがよいかも調査した。

最も多かったのは「現在の資産形成を見直したいとき」で25.0%だった。次いで「NISAなど資産形成を始めるとき」が22.4%、「受験・進学について考え始めたとき」が21.2%となった。

「住宅購入・住宅ローンについて考えるとき」は17.1%、「子どもの夢や進路が具体的になったとき」は16.5%だった。一方、「専門家には相談したいと思わない」は6.2%だった。

相談しやすいFPの特徴では、「NISAなど資産形成について幅広く相談できる」が45.0%で最多だった。

「自身も子育て経験があり、子育て家庭の悩みを理解してくれる」が40.0%、「家計・教育費・老後資金などをまとめて相談できる」が39.1%と続いた。「金融商品を勧めることを前提とせず相談できる」も25.3%だった。

また、家計や資産形成の見直しについて「特に難しさは感じない」を選択しなかった285人のうち、96.5%(275人)は、専門家への相談タイミングについて「専門家には相談したいと思わない」以外の選択肢を選んでいた。

家計や資産形成の見直しに難しさを感じている人の多くは、専門家への相談そのものを否定していないことがうかがえる。

今回の調査では、子どもの成長や物価の変化に合わせて家計を見直す必要性を感じながらも、実際の行動にはつながっていない家庭が多かった。入園・入学や習い事、進路の変化などを機に、教育費や生活費、資産形成の状況が以前とどう変わったかを確認してみることが、家計を見直すきっかけになるだろう。

調査対象:小学生の子どもを持つ保護者340名 調査形式:WEBアンケート調査 調査時期:2026年9月19日~9月22日 ※構成比は小数点以下第2位を四捨五入して表示。単一回答では端数調整が行われている場合がある。複数回答では合計が100%を超える場合がある。