朝晩の冷え込みを感じる日が増え、エアコンの暖房をつけるかどうか迷う人もいるかもしれない。電気料金や食品・日用品の値上げも続くなか、冬の暖房費を心配する声もあるようだ。
パナソニックがエアコンを所有する20〜60代の553名に行った調査では、67%が家計に「余裕がない」と答え、56%が今冬は節約のため暖房の利用をガマンしようと思うと回答した。一方で、同社の検証では、節電のつもりの使い方がかえって消費電力量を増やす場合もあることがわかった。暖房費を抑えたいと考えている人にとって、エアコンの使い方を見直すきっかけになりそうだ。
夏の電気代が「想定より高かった」53%、値上げの負担を感じる人は81%
今年の夏の電気代について、想定と比べてどうだったかを聞いたところ、「かなり高かった」18%、「やや高かった」35%で、合わせて53%が想定より高かったと回答した。
電気料金の値上げによる負担を感じるかという質問に対しては、38%が「強く感じる」、43%が「やや感じる」と回答。合わせて81%が負担を感じていることがわかった。
各種値上げへの不安は90%、家計に「余裕がない」67%
電気代だけでなく、食品や日用品など各種値上げに不安を感じるかを聞くと、「強く感じる」51%、「やや感じる」39%で、9割の人が不安を感じていることがわかる。
現在の家計状況については、「かなり余裕がない」26%、「やや余裕がない」41%で、合わせて67%が余裕がないと回答した。
今冬の暖房を「ガマンしようと思う」56%、昨冬にガマンした人は47%
今年の冬は節約のため、暖房の利用をガマンしようと思うかを聞いたところ、「強く思う」が17%、「やや思う」が39%。半数以上の回答者が、暖房の利用を控えようと考えていることがわかった。
昨年の冬に節電のため暖房の利用をガマンしたかについては、「かなりガマンした」13%、「ややガマンした」34%で、合わせて47%がガマンしたと回答した。
ガマンする暖房器具、「エアコン」が最多60%
暖房の利用をガマンすると回答した人に、どの暖房器具の使用を控える予定かを聞くと、「エアコン」が60%で最も多かった。次いで「電気ストーブ」20%、「電気カーペット」18%、「石油ストーブ」18%が続いた。
冬のエアコン節電対策、最多は「設定温度を低くする」36%
冬のエアコン節電のためにしていることは、「設定温度を低くする」36%が最多で、「厚着をする」31%、「エアコンを極力使用しない」27%、「スイッチをオンオフする頻度を気をつけている」21%が続いた。
一方、「エアコンフィルターの掃除をする」17%、「風量を自動に設定する」15%、「サーキュレーターや扇風機を併用し、暖かい空気を室内に循環させる」11%と、エアコンの効率を高めながら節電する方法を実践している人は比較的少なかった。
エアコン未使用時の冬の平均室温は16.6℃、18℃未満は57%
エアコンは、運転を始めてから設定温度に届くまでに最も電力を使う。外気温と設定温度の差が大きいほど消費電力は多くなり、冬は夏より温度差が大きい日が多いことなどから、暖房のほうが冷房より電気代が高くなる傾向があるという。
世界保健機関(WHO)は、冬の室温を18℃以上に保つことが望ましいとしている。パナソニックのエアコン「エオリア」のユーザーデータ(2025年2月)によると、冬にエアコンを使っていない場合の室温は全国平均16.6℃で、18℃未満の世帯は57%だった。暖房を使った場合の全国平均は21.6℃で、18℃未満の世帯は13%だった。
地域別では、北陸と甲信越が14.3℃、中国が14.4℃と、暖房を使っていない場合の室温が14℃台にとどまった。暖房を使った場合は、いずれも21℃前後だった。
風量「弱」では室温20℃まで約40分遅れ、消費電力量は約60%増
パナソニックは、約14畳の環境試験室で、外気温2℃の条件のもと、室温2℃から20℃に届くまでの時間と消費電力量を、次の3つの条件で比べた。
- ①きれいなフィルター+風量「自動」
- ②1年相当の汚れが付着したフィルター+風量「自動」
- ③きれいなフィルター+風量「弱」
その結果、②の汚れたフィルターでは、①のきれいなフィルターに比べて風量が約9%下がり、室温20℃に届くまでの時間が約1.3分長くなった。消費電力量も約10%増えた。
③の風量「弱」では、①に比べて風量が大きく下がり、室温20℃に届くまでの時間は約40分遅れた。消費電力量も約60%増え、「弱運転のほうが節電になる」というイメージとは異なる結果となった。
暖かい空気は天井付近にたまりやすい。検証では、風量が足りないと暖気が足元まで十分に届かず、足元付近の温度にも差が出ることが確認された。
※CS-X406D2の暖房運転で測定。外気温2℃、設定温度23℃で運転し、平均室温が2℃から20℃に到達した時点での時間と消費電力量を計測。室内490地点の温度センサーで平均室温を測定し、室温と消費電力量は10秒ごとに計測。
冬のエアコン節電術は「掃除」「設定温度」「風量自動」がポイント
パナソニックは、冬のエアコン節電術として、「エアコンの掃除をこまめに行う」「設定温度は上げすぎない」「風量は自動に設定する」「窓の断熱対策をする」「サーキュレーターを併用する」「室外機の周辺を掃除」の6つを挙げた。なかでも、「エアコンの掃除をこまめに行う」「風量は自動に設定する」「設定温度は上げすぎない」の3つを、節電効果を高めるうえで重要なポイントとしている。
暖房をつける前に、フィルターと風量設定を確かめてみる
今冬は暖房をガマンしようと考える人が半数を超える一方、風量を「弱」にしたり、フィルターの掃除を後回しにしたりすると、かえって消費電力量が増える場合もあるようだ。本格的に暖房を使い始める前に、フィルターの汚れと風量の設定を一度確かめてみると、寒さを我慢しすぎずに電気代を抑えるヒントが見つかるかもしれない。
【調査概要】 調査名:2026年 今冬のエアコン利用意向と節電に関する実態調査 調査地域:全国 調査期間:2026年10月1日~10月8日 調査方法:インターネット調査(協力:ジャストシステム) 調査対象:エアコンを所有している20~60代の男女 有効回答:553名(男性:293名、女性:260名)
出典:パナソニック「エオリア」調べ












