毎日の食卓に欠かせない食品や飲料の値上げは、家計の支出に直結する。買い物の際、いつも購入している商品が以前より高くなっていたり、同じ価格でも内容量が少なくなっていたりすることもある。

帝国データバンクが主要な食品メーカー195社の価格改定動向を調べたところ、2026年10月の飲食料品の値上げは3,153品目となった。9月に続いて3,000品目を超え、酒類・飲料や調味料など身近な商品が対象となっている。

10月の値上げは3,153品目、平均値上げ率は10%

2026年10月における主要食品メーカー195社の家庭用を中心とした飲食料品の値上げは、合計3,153品目となった。値上げ1回あたりの平均値上げ率は10%だった。

2カ月連続で単月の値上げ品目数が3,000品目を超えるのは、2023年6~7月以来、3年3カ月ぶり。10月の品目数は2026年9月の4,965品目に次いで、年内で2番目に多い水準となった。

10月の値上げを食品分野別にみると、最多は「酒類・飲料」の1,399品目だった。同分野が全分野で最多となるのは、2025年10月以来1年ぶりである。

対象には、酒税改定の影響を受けた発泡酒や第三のビール類、焼酎などのアルコール類に加え、清涼飲料水なども含まれる。

「調味料」は820品目となり、マヨネーズや醤油、たれ類などが中心だった。「加工食品」では缶詰や冷凍・チルド食品、乳幼児向け食品などで値上げが多くみられた。

年間値上げは2万187品目、加工食品が6,961品目で最多

2026年の飲食料品値上げ品目数は、1~12月までに予定されている値上げの判明分を含め、合計2万187品目となった。年間2万品目を超えるのは2年連続である。

特に9~10月の2カ月間では8,000品目を超え、年内全体の約4割を占めた。

年間の値上げ品目数を食品分野別にみると、最も多いのは冷凍食品やパック米飯などの「加工食品」で6,961品目だった。前年実績の4,791品目を4割超上回っている。

次いで「調味料」が6,250品目、「酒類・飲料」が3,309品目、「菓子」が1,390品目となった。全食品分野のうち、加工食品など4分野で前年実績を上回った。

また、11月の値上げは1,469品目が判明している。前年同月の約10倍規模となるものの、9~10月に比べると大幅に減少する見込みで、帝国データバンクは2026年内の値上げラッシュが10月をピークに一旦収束するとみている。

値上げ要因は「原材料高」が91.3%、「中東情勢」も27.8%

値上げの要因を品目数ベースでみると、2026年9月末時点で「原材料高」が91.3%と最も高かった。

そのほか、「物流費」が66.0%、「エネルギー」が63.8%、「包装・資材」が63.7%、「人件費」が51.1%、「中東情勢」が27.8%、「円安(為替の変動)」が8.1%となっている。

原材料高は依然として主な値上げ要因だが、2026年4月以降はその割合が低下傾向にある。

一方、中東情勢の悪化に伴う原油価格やナフサ価格の上昇は、食品の包装資材や物流などにも影響している。ナフサは石油からつくられる原料の一つで、食品包装などに使われるプラスチック製品の製造にも関わる。

加えて、人件費や物流費など国内のコスト上昇も続いており、加工食品や調味料など、日常的に購入する食品にも値上げの動きが広がっている。

なお、値上げ要因には一部重複が含まれるため、各割合の合計は100%にはならない。

2027年も断続的な値上げがある見通し

帝国データバンクによると、2026年の飲食料品値上げは、中東情勢の悪化を起点とするエネルギー・包装資材価格の上昇と、人件費や物流費を中心とした国内のコスト上昇が重なり、前年に続いて高い水準で推移した。

米価格の下落など、一部では物価上昇が鈍化する動きもみられる。一方で、原材料費や人件費、物流費の負担は依然として大きく、値上げをしてもコスト増を十分に吸収できない食品メーカーもあるという。

さらに、円安による輸入コストの高止まりや、豪雨・干ばつによる農水産・畜産品の供給不安なども、飲食料品価格を押し上げる要因として挙げられている。

帝国データバンクは、2026年の年間値上げ品目数が前年実績と同水準で推移すると見込んでおり、2027年にかけても断続的に値上げが行われると予想している。

値上げの件数が落ち着いても、家計の負担がすぐに軽くなるとは限らない。日々の買い物で内容量や100gあたりの価格を見比べると、価格を据え置いたまま量を減らす「実質値上げ」にも気づきやすい。まずは1カ月分のレシートで、食費のどこが増えたかを確かめてみたい。

調査概要 調査・分析:帝国データバンク 調査対象:主に全国展開を行う上場・非上場の主要食品メーカー195社 集計対象:各社が発表した2022~2027年の価格改定計画(実施済みを含む) 発表日:2026年9月30日 ※品目数は、同一年内に複数回値上げした商品をそれぞれ別品目として集計。価格を据え置いて内容量を減らす「実質値上げ」も含む。値上げ率は各社発表時の最大値を採用している。