「修理したほうがよいのは分かっている。でも、まだ生活できるから急がなくてもいい」といった考えから、家の傷みをそのままにしている人は多いかもしれない。物価上昇が続くなか、修繕費をどう工面するかに悩む家庭もあるだろう。

ベルテクノが運営するWebメディア「アンドリフォーム」は、過去3年以内に自宅の修理・修繕が必要だと感じた持ち家居住者478人を対象に調査を実施した。その結果、65.1%が修繕の先送り・断念を経験していたことがわかった。

住宅修繕、65.1%が先送り・断念を経験|40.6%は現在も先送り

住宅の修繕が必要だと感じた際の対応を尋ねたところ、最も多かったのは「現在も修繕を先送りしている」の40.6%だった。

次いで「すぐに修繕した」が23.2%、「一度先送りした後、修繕した」が21.8%となった。「修繕すること自体を断念した」は2.7%だった。

「現在も修繕を先送りしている」「一度先送りした後、修繕した」「修繕すること自体を断念した」の合計は65.1%。修繕の必要性を感じた人の約3人に2人が、一度は対応を見送ったことになる。

一方、「自分で応急処置・修理をした」人は10.0%だった。

住宅の修繕には、設備が突然使えなくなるなど早急な対応が必要なケースがある一方、劣化が気になってもすぐには生活に支障が出ないケースもある。修繕の必要性を感じながら、判断を後回しにしている人が多いことが分かった。

物価上昇が住宅修繕に影響した人は58.6%|延期・断念は41.6%

物価上昇によって住宅修繕の判断に与えた影響について尋ねたところ、影響を受けた内容では「修繕を延期した」が31.6%で最も多かった。

「より安い製品や工法に変更した」は13.0%、「修繕を断念した」は10.0%、「工事範囲を減らした」は4.0%だった。

一方、「影響しなかった」と回答した人は41.4%だった。

物価上昇によって何らかの影響を受けた人は58.6%に上った。「修繕を延期した」と「修繕を断念した」を合わせると、全体の41.6%だった。

修繕そのものを見送るだけでなく、より安い製品や工法への変更、工事範囲の縮小といった対応もみられる。

物価上昇は、修繕を実施するかどうかに加え、使用する製品や工法、工事の範囲を決める際にも影響していることが分かった。

修繕を先送り・断念した理由、最多は「まだ生活できるため」42.5%

住宅修繕を先送り・断念した理由を複数回答で尋ねたところ、最も多かったのは「まだ生活できるため、緊急性を感じなかった」の42.5%だった。

次いで「修繕費用が高かった」が28.0%、「生活費の負担が増え、修繕に回す余裕がなかった」が26.4%となった。

「修繕費用が高かった」と「生活費の負担が増え、修繕に回す余裕がなかった」のいずれか一方以上を選んだ人は、重複を除くと201人で、全体478人の42.1%だった。

「まだ生活できるため、緊急性を感じなかった」の42.5%とほぼ同じ割合であり、修繕の先送りには緊急性を感じにくいことと、費用を捻出しにくい家計事情の両方が関係していることがうかがえる。

また、「信頼できる業者が分からなかった」が11.5%、「費用相場が分からなかった」が10.9%だった。

「業者を比較するのが面倒だった」「見積もりを取る時間がなかった」はそれぞれ6.1%となっており、費用だけでなく、業者選びや情報収集の負担も修繕を見送る理由として挙げられた。

調査では、修繕箇所として「壁・天井・壁紙」「外壁」「床・フローリング」などが多く挙げられた。こうした箇所は、劣化が気になっても直ちに生活できなくなるとは限らず、生活費や教育費などの支出が優先されることもある。

修繕を検討してから1年以上経過した人は36.6%

住宅修繕を検討し始めてからの期間について尋ねたところ、最も多かったのは「1~3年未満」の24.5%だった。

次いで「1~3か月」が21.8%、「1か月未満」が17.4%、「4~6か月」が12.8%となった。

「1~3年未満」の24.5%と「3年以上」の12.1%を合わせると、修繕を検討し始めてから1年以上経過した人は36.6%に上った。

住宅の不具合は、日常生活への影響が小さいうちは修繕の緊急性を判断しにくい。ただし、不具合の内容によっては、放置することで劣化が進み、修繕する範囲や費用が大きくなる可能性もある。

「直したいけれど、今すぐには動けない」、住宅修繕への生活者の声

自由記述では、物価上昇や生活費の負担、修繕の緊急性、業者選びに関する声が寄せられた。

「外壁と屋根の塗装を考えているが、物価高の影響で想定より費用が高く、一度見送っている」「子どもの教育費にお金がかかり、住宅修繕に回す余裕がない」などの回答があり、修繕の必要性を感じていても、生活費や教育費などの支出を優先せざるを得ない状況が見て取れる。

また、修繕を先送りしている間に見積金額が上がり、以前より工事に踏み切りにくくなったという声もあった。

費用を用意できたとしても、適正価格や信頼できる業者を判断できず、検討が止まっている人もいる。

アンドリフォーム編集部は、修繕を迷った際には、まず専門業者に住宅の状態と修繕の緊急度を確認してもらうことが大切だとしている。

複数の業者に相談し、工事内容や見積金額を比較することで、早急に対応すべき箇所と、修繕時期を調整できる箇所を整理しやすくなるという。

家の傷みは、気になったときに状態を確かめておくと、修繕を急ぐべきか、時期を待てるかを判断しやすくなる。物価上昇が続くなかでは、見積もりを早めに取って費用の目安をつかんでおくことも、家計の計画を立てる助けになりそうだ。

調査概要 調査名:住宅の修理・修繕に関するアンケート 調査対象:過去3年以内に住宅の修理・修繕が必要だと感じた持ち家居住者 有効回答数:478人 調査方法:インターネット調査 調査時期:2026年9月25日~9月28日 調査主体:アンドリフォーム運営事務局