政府は、2027年4月から2年間、軽減税率の対象となる飲食料品の消費税率を1%とする方針を示している。この政策について、帝国データバンクが企業に経済への影響を尋ねたところ、有効回答1万560社のうち54.5%が経済活性化に「つながらない」と回答。自社の売上は76.9%が「変わらない」とし、業種別では食品小売と飲食店で見通しが分かれた。毎日の買い物に関わる税率変更を、企業側がどう見ているのかをみていく。

経済活性化に「つながらない」54.5%

飲食料品の消費税率引き下げが日本経済の活性化につながるかを聞いたところ、「活性化につながる」は18.0%だった。一方、「活性化につながらない」は54.5%、「分からない」は27.4%となった。

自社売上は76.9%が「変わらない」

飲食料品の消費税率引き下げによる自社の売上への影響では、「変わらない」が76.9%を占めた。「増加」は7.9%、「減少」は3.1%、「分からない」は12.0%だった。 回答をもとに帝国データバンクが試算した全産業の「期待売上増減率」は+0.16%となった。

企業からは、食料品の減税で家計に余裕が生まれ、ほかの商品購入につながる可能性を指摘する意見があった。一方、資材費や輸送費などの税率が変わらなければ、製品価格への反映が限られるとの声もあがっている。

売上の増減見込み、業種間で分かれる

業種別にみると、飲食料品小売では40.9%が売上の「増加」を見込み、期待売上増減率は+1.58%だった。飲食料品・飼料製造業も29.9%が増加を見込み、期待売上増減率は+1.14%となった。 一方、飲食店では46.9%が「減少」を見込み、期待売上増減率は▲3.94%だった。旅館・ホテルも▲0.74%となっている。店内飲食の税率が据え置かれる場合、家庭向け食品との価格差が広がり、内食や中食へ需要が移ることを懸念する意見がみられた。

飲食料品卸売では「増加」が26.0%、「減少」が18.9%だったが、期待売上増減率は▲0.31%となった。増加を見込む企業の割合は減少を上回ったものの、減少を見込む企業の想定幅が相対的に大きかったためである。 飲食料品の消費税率引き下げを巡っては、企業全体では売上が「変わらない」とする回答が多い一方、食品小売と飲食店などでは見通しに差がみられた。

制度の開始時期や対象などは関連法案や今後の制度設計によって変更される可能性がある。家計や事業への影響を考える際は、制度の最新情報とあわせて確認したい。