親名義の実家を将来どうするかは、住み続ける人だけでなく、離れて暮らす子世代にも関わる問題だ。相続後には、自分や家族が住む、売却する、賃貸に出す、解体するなど複数の選択肢があり、固定資産税や修繕・管理費、登記など確認すべきことも多い。一方、親が元気なうちは話題にしづらく、具体的な準備を後回しにしやすい。AZWAYが親名義の実家がある30〜50代300人を調査したところ、相続後は「売却する」が30.7%で最多だったが、家族で方針が決まっている人は4.7%にとどまった。さらに、空き家になった場合の維持費・管理コストを「あまり知らない」「まったく知らない」とした人は計79.0%だった。

実家を相続する可能性「ある」は75.7%

将来、実家を相続する可能性について、「かなり高い(相続予定がある)」は25.3%、「可能性はある」は50.3%だった。合わせて75.7%となり、親名義の実家がある30〜50代の4人に3人が相続する可能性があると回答している。

また、実家を相続した場合の意向では、「売却する」が30.7%で最多だった。「まだ何も考えていない」が27.3%、「自分が住む」が26.0%と続く。

このほか、「賃貸に出す」は5.7%、「子ども・孫に引き継ぐ」は3.7%、「解体して土地だけにする」と「空き家のまま維持する」はそれぞれ3.3%だった。

住む・貸す・引き継ぐを合わせた「活用」派は35.3%、売却・解体の「手放す」派は34.0%で、「まだ何も考えていない」は27.3%だった。

実家の悩み、47.7%が「税金まわり」に不安

実家の今後について感じる悩みや不安を複数回答で聞いたところ、最多は「相続税・固定資産税など税金まわりが不安」の47.7%だった。

2位は「活用・売却・解体にかかる費用がわからない」39.0%。さらに、「親がまだ健在で話し合いにくい」と「親や家族とまだ具体的に話せていない」がそれぞれ37.3%で続いた。

「建物が古く、修繕・解体・売却の判断が難しい」は25.3%、「空き家になった場合の管理が不安」は19.3%だった。一方、「特に悩みや不安はない」とした人は3.0%にとどまった。

「話し合いたいが機会がない」40.7%

実家の将来について親や兄弟姉妹と話し合った状況では、「話し合いをしたいが機会がない」が40.7%で最多だった。

「一度は話し合ったことがある」は27.7%、「特に話し合う必要を感じていない」は17.7%、「話し合いが難しい状況にある」は9.3%。「しっかり話し合って方針が決まっている」は4.7%だった。

相続後について「まだ何も考えていない」と回答した割合を話し合いの状況別にみると、一度は話し合った人では16.9%だった。一方、「話し合いをしたいが機会がない」人では32.8%、「特に話し合う必要を感じていない」人では34.0%となっている。

空き家の維持費、79.0%が「あまり・まったく知らない」

実家が空き家になった場合の維持費や管理コストについては、「まったく知らない」が43.7%、「あまり知らない」が35.3%だった。合わせて79.0%が十分に把握していない結果となった。

「なんとなく知っている」は19.0%で、「だいたい把握している」は2.0%だった。

実家の相続・処分について専門家への相談経験・意向を聞くと、「誰に相談すればいいかわからない」が42.0%で最多。「相談したいと思っている」は29.0%、「相談するほどではない」は26.7%で、「すでに相談したことがある」は2.3%だった。

事前に調べておきたい情報では、「相続税の計算・節税方法」が67.3%で最多。「売却・買取の価格相場」56.3%、「解体費用の目安」47.0%、「親と相続について話し合うタイミング」34.0%と続いた。

今のうちにやりたいこと「親と相続の意向を確認」38.0%

実家の将来について「今のうちにやっておきたい」と最も強く感じることでは、「親と相続の意向を確認しておく」が38.0%で最多だった。

2位は「兄弟・姉妹や家族と話し合っておく」19.7%、3位は「固定資産税や維持費を確認しておく」11.3%。このほか、「家財整理・片付けについて考えておく」8.3%、「登記・名義の確認をしておく」7.7%、「売却・賃貸・解体などの選択肢を調べておく」7.3%だった。

2024年4月からは相続登記の申請が義務化されている。2024年4月1日より前に相続したことを知った不動産も対象で、2027年3月31日までに登記する必要がある。詳細は法務局や専門家への確認が必要だ。

実家を今後どうするか決まっていなくても、親の意向や現在の名義、固定資産税や維持費などを確認すれば、家族で話し合うための材料になる。将来相続する可能性がある人は、まず親や家族が実家についてどう考えているかを共有するところから、今後の選択肢を整理してみてはいかがだろうか。

調査概要:実家を相続した場合の活用・売却・解体の意向に関するアンケート(親名義の実家がある方対象) 調査対象:親名義の実家(親の持ち家)がある30〜50代の男女 調査期間:2026年6月17日 調査方法:インターネット調査(任意回答) 回答者数:300人 備考:割合は小数第1位で四捨五入しているため、内訳の合計と一致しない場合がある。複数回答の設問は合計が100%にならない。各設問の割合は、その設問の回答を分母として算出している。回答者の年代は30代153人(51.0%)、40代103人(34.3%)、50代44人(14.7%)。回答者数が30人未満の区分の数値は参考値。