高齢の親が運転を続けるかどうかは、本人だけでなく家族にとっても身近な課題だ。

KINTOの調査では、70歳以上の94.7%が「これからも運転を続けたい」とした一方、30〜59歳の子世代で「親に続けてほしい」と答えたのは51.1%だった。シニアでは日常の移動の必要性が運転継続の主な理由となる一方、親に運転を続けてほしくない子世代では、とっさの判断の遅れや事故への不安が多く挙げられた。さらに、シニア本人の54.6%が自分の運転中に、子世代の47.7%が親の運転中に、この1年間で「ヒヤリとした経験」があると回答した。

免許返納や車の買い替えを考える家庭にとって、親子で安全と移動手段をどう両立するかを話し合う材料になる調査である。

70歳以上の94.7%が「運転を続けたい」、子世代は51.1%

これからも車の運転を続けたいかをシニア本人に尋ねたところ、「非常にそう思う」「ややそう思う」の合計は94.7%だった。

一方、子世代に親の運転を続けてほしいか尋ねた結果では、「非常にそう思う」「ややそう思う」の合計は51.1%。シニア本人との差は43.6ポイントとなった。

運転を続けたい、または続けてほしいと回答した人に希望する年齢を尋ねると、シニア本人は「76〜80歳」が27.5%で最多。子世代でも「76〜80歳」が32.3%で最も多かった。

運転継続の理由、91.6%が「日常の移動に必要」

運転を続けたい理由では、シニア本人の91.6%が「買い物や通院など日常の移動に必要だから」と回答した。次いで「旅行などのお出かけに使うから」が36.6%、「趣味やサークルに関する移動に必要だから」が29.1%だった。

子世代でも、「買い物や通院など日常の移動に必要だから」が61.5%で最多。「趣味やサークルに関する移動に必要だから」が32.3%、「通勤/仕事で必要だから」が29.2%と続いた。

一方、運転を続けたいと思わないシニア本人、または親に運転を続けてほしいと思わない子世代に理由を尋ねたところ、子世代127人の57.5%が「とっさの判断が遅くなってきていると感じるから」と回答。「衝突や踏み間違いなどの事故が心配だから」も55.9%に上った。

運転を続けたいと思わないシニア本人16人では、「夜間や雨の日の運転が心配だから」が50.0%で最多だった。

免許返納、44.5%が「いずれは返納したいが時期未定」

シニア本人326人に免許返納について尋ねると、最も多かったのは「いずれは返納したいが、時期は決めていない」の44.5%だった。「当面は返納するつもりはない」は27.0%、「返納について考えたことがない」は15.3%となっている。

「すでに返納する時期を決めている」「数年以内に返納したいと考えている」「いずれは返納したいが、時期は決めていない」とした182人に理由を尋ねると、「年齢的にいつかはやめるべきだと思うから」が75.3%で最多だった。

次いで「事故を起こして家族に迷惑をかけたくないから」が49.5%、「高齢者の事故のニュースを見て不安になるから」が35.7%だった。

「ヒヤリ経験」シニア54.6%、子世代47.7%

シニア本人には自分の運転中、子世代には親の運転中に、この1年間で「ヒヤリとした経験」があるかを尋ねた。「何度もある」「数回ある」「1度だけある」の合計は、シニア本人で54.6%、子世代で47.7%だった。

ヒヤリとした具体的な場面では、シニア本人178人の48.9%が「夜間や雨で視界が悪く、危険を感じた」と回答した。

一方、子世代150人では「駐車や車庫入れで壁や縁石に接触しそうになった」が41.3%で最多。「前の車に気づくのが遅れ、急ブレーキを踏んだ」が33.3%、「歩行者や自転車の飛び出しに気づくのが遅れた」「車線からはみ出しそうになった」がそれぞれ28.0%だった。

新車では「安全性能」を重視、乗り換えの壁は今の車

シニア本人に現在の車に乗っている期間を尋ねると、「13年以上」が28.5%で最も多かった。

また、今の車より新しい機能や装備がついた新車について、シニア本人の49.7%が「乗りたい」、子世代の59.3%が親に「乗ってほしい」と回答した。

新車を希望する人に、どのような車を選びたい、または選んでほしいか尋ねたところ、「今よりも安全性能の高いクルマ」がシニア本人で82.1%、子世代で69.5%となり、両世代で最多だった。

一方、新車への乗り換えを希望するシニア本人162人に、実際の乗り換えに踏み切れない理由を尋ねると、「今のクルマがまだ十分に乗れるから」が58.0%で最多だった。

「あと何年乗るかわからず、新車購入はもったいないと感じるから」が38.3%、「新車を購入するまとまった費用が用意できないから」が30.2%と続いている。

親の運転が気になる家庭では、運転を続ける理由やヒヤリ経験、免許返納の考え方を親子で共有してみてはいかがだろうか。車の使用年数や安全性能も含めて確認し、本人に必要な移動手段と家族が感じる不安を整理することが、今後の運転や乗り換えを話し合うきっかけになる。