昨今はAIの普及などで、自分の仕事の中身が変わるかもしれないという話を耳にする機会もあるだろう。ただ、日々の仕事をこなすなかで、将来のことまで考える余裕はないと感じる人もいるようだ。何かしたほうがいいとは思いつつ、何から手をつければいいかわからないという人もいるかもしれない。
アデコは、日本全国の20代~50代の会社員500人を対象に、「キャリア形成と未来対応型人財」に関する調査を実施した。将来のキャリアの考え方や、仕事の変化への受け止め方、相談相手の有無などを聞いている。
将来のキャリア、「具体的に行動している」は12.2%
将来のキャリアについて、どの程度具体的に考えているかを聞いたところ、「目標や計画があり、具体的に行動している」は12.2%で、87.8%は具体的な行動に至っていなかった。内訳は「まったく考えていない」が30.2%、「ぼんやりと考えているが、具体像は見えていない」が26.2%、「今の仕事をこなすことに精一杯で、将来まで考えられていない」が17.6%、「方向性は決まっているが、具体的な行動には至っていない」が13.8%だった。
具体的な行動に至っていないと答えた439人に理由を聞くと、「特に理由はない、なんとなく」が33.9%で最も多く、「自分のやりたいことが分からないので」が15.5%、「現状に満足しているので」が14.6%、「日々の業務が忙しく、考える時間的・精神的余裕がないので」が13.9%で続いた。
キャリアを「失敗しないようにしなければ」と感じる人は66.0%
キャリアを考える際に「失敗しないようにしなければならない」と感じるかを聞いたところ、「非常に感じる」が25.8%、「やや感じる」が40.2%で、合わせて66.0%が感じていた。
「キャリア自律」という言葉、「知らなかった」が68.0%
「キャリア自律」という言葉を知っているかを聞いたところ、「今までに見た、聞いたことはなく、知らなかった」が68.0%で最も多かった。「意味を理解しており、自分でも意識している」は8.8%だった。なお、この調査では「キャリア自律」を「会社などの外部組織にキャリア形成を依存せず、個人の価値観や意思を重視して、主体的にキャリアを築き、自らのキャリアに責任を持つ姿勢」としている。
今後のキャリア形成について、自分の気持ちに最も近いものを聞くと、「特に決めず、機会に応じて選びたい」が48.8%で最も多かった。「自分でキャリア目標を立て、その実現に向けて必要なスキルや経験を積んでいきたい」は11.8%、「どちらかというと、自分でキャリア目標を立て、その実現に向けて必要なスキルや経験を積んでいきたい」は23.0%だった。決まった道筋を描くより、そのときの機会に合わせて選びたいと考える人も少なくないようだ。
仕事の変化、2030年までに「起きると思う」55.8%
これから2030年までの間に、AIの普及や社会情勢の変化により、自分の職種の業務内容や役割が大きく変わる、職種自体がなくなるなどの変化が起きると思うかを聞いたところ、「そう思う」が15.4%、「ややそう思う」が40.4%で、合わせて55.8%だった。
「そう思わない」以外を選んだ411人に、その変化についての気持ちを聞くと、「不安を感じる」が13.4%、「やや不安を感じる」が49.9%で、合わせて63.3%が不安を感じていた。
また、500人全員に10年後の自分を想像したときの気持ちを聞くと、「不安や疲れがある」が37.8%で、「期待やわくわく感が強く、楽しみである」は11.2%だった。
変化への準備、「すでに行っている」は6.3%
変化についての気持ちで「不安は感じない」以外を選んだ400人に、変化に対応するための具体的な準備や活動を行っているかを聞いたところ、「すでに行っている」は6.3%だった。「特に何かを行う予定はない」が26.3%、「行いたいと思うが、何をすればいいのかわからない」が26.0%、「将来的に行いたいと思うが、今はまだ行っていない」が22.5%、「行いたいことはあるが、まだできていない」が19.0%だった。
業務や学習に生成AIなどの最新技術を積極的に取り入れているかを聞くと、「積極的に取り入れている」は13.8%だった。「興味はあるが理解が追いつかず取り入れていない」が15.6%、「興味はあるが余裕がなく取り入れていない」が14.8%で、合わせて約3割が、興味はありながらも取り入れていなかった。
新しい役割や業務への挑戦、「機会もないし、したいとも思わなかった」52.6%
直近1年間で、これまでに経験のない新しい役割や業務、プロジェクトに挑戦したかを聞いたところ、「機会もないし、挑戦したいとも思わなかった」が52.6%で過半数を占めた。「自主的に挑戦した」は13.6%、「上司や同僚の勧めで挑戦した」は12.0%、「挑戦したかったが、チャンスや機会がなかった」は14.6%だった。
キャリアの相談相手、「いない」が46.8%
キャリアについて相談できる相手はいるかを聞いたところ(複数回答)、「相談できる相手はいない」が46.8%で最も多かった。そのほかは「両親・家族」が26.2%、「社外の友人・知人」が20.4%、「社内の同僚や同期の友人」が15.2%、「上司」が11.2%だった。
キャリアについて、まず誰かに一度話してみる
将来のキャリアについて具体的に行動している会社員は12.2%で、キャリアについて相談できる相手がいない人は46.8%だった。何から始めればいいかわからないときは、いまの仕事で気になっていることや、この先やってみたいことを、家族や友人など身近な人に一度話してみると、自分の考えが少し整理できるかもしれない。
調査対象:20~50代の会社員(公務員・団体職員を除く、役員以上を除く)の男女 サンプル数:20~50代の男女500人 調査方法:インターネット調査 実施時期:2026年4月2日~4月6日
出典:アデコ株式会社調べ










