派遣社員として働く人にとって、仕事内容や待遇だけでなく、職場でどのように受け入れられているかも働きやすさを考えるうえで気になる点だ。マイナビが派遣社員1,400人を調査したところ、7割が現在の働き方に満足していた。

一方、約5人に1人は派遣先で名前ではなく「派遣さん」と呼ばれることがあり、その人たちは「働きやすさ」や「評価実感」「能力発揮実感」の肯定割合が相対的に低い傾向だった。また20代では、新卒から派遣社員として働くことを肯定的に捉える割合が他年代より高かった。

派遣で働く人だけでなく、受け入れる企業側やこれから働き方を選ぶ若い世代にとっても参考になる結果だ。

派遣社員の70.9%が現在の働き方に満足

現在、派遣社員として働いていることへの満足度を聞いたところ、「満足している(計)」は70.9%となった。2025年の69.3%から1.6ポイント増えている。

「満足」は24.1%、「やや満足」は46.8%だった。一方、「やや不満」は20.0%、「不満」は9.1%となった。

派遣社員として働き始めたきっかけでは、「仕方ない・やむを得なかった(計)」が54.6%で、「自ら望んで就いた(計)」の45.4%を上回った。

ただし、「仕方ない・やむを得なかった」人でも、現在の働き方に「満足している(計)」と答えた割合は65.9%だった。「自ら望んだ」人では77.0%となっている。

20代は42.5%が「新卒から派遣社員」に肯定的

新卒から派遣社員として働くことを選択肢として「あり」だと思うか聞いたところ、全体では「そう思う(計)」が31.5%、「そう思わない(計)」が34.1%だった。

年代別にみると、若い年代ほど「そう思う」の割合が高い。20代では「そう思う(計)」が42.5%となり、「そう思わない」と回答した割合を8.9ポイント上回った。

派遣社員として働く経験をキャリアにどう捉えているかにも年代差がみられた。

「派遣社員の仕事を通じて、市場価値が高まるスキル・経験が蓄積できている」とする割合は、20代が50.4%で最も高く、30代37.8%、40代35.9%、50代34.1%と年代が上がるほど低くなった。

「今の派遣社員の経験は将来のキャリアに活かせると思う」とする割合も、20代が44.2%、30代42.9%、40代39.5%、50代38.1%だった。

約5人に1人が名前ではなく「派遣さん」と呼ばれる

派遣先の職場で、名前ではなく「派遣さん」と呼ばれることがあるか聞いたところ、「よくある」4.5%、「ときどきある」14.9%を合わせた19.4%が、呼ばれることがあると回答した。

また、「派遣さん」と呼ばれる人のうち54.4%は、その呼ばれ方が「気になる(計)」と回答した。「全く気にならない」「あまり気にならない」を合わせた「気にならない(計)」は45.6%だった。

自由回答では、気になる理由として「同じ仕事をしているのだからちゃんと名前で呼んで欲しい」「疎外感を感じる」「部外者感を感じる」などの声が挙がった。

一方、気にならない理由には、「名前を覚えてないなら仕方がない」「仕事したいだけなのでむしろ親しみがない方がやりやすい」「割り切っている」といった回答がみられた。

「派遣さん」と呼ばれる人、働きやすさや評価実感が低い傾向

「派遣さん」と呼ばれることがある人と、呼ばれることがない人で職場や仕事への意識を比べると、回答に差がみられた。

「現在の職場は働きやすい環境だ」「派遣先からの評価は高い方だと思う」「自分の能力を十分に発揮できている」の各項目で、「そう思う(『どちらかといえば』を含む)」と回答した割合は、「派遣さん」と呼ばれることがある人のほうが低い傾向だった。

調査を担当したキャリアリサーチラボ研究員の元山春香氏は、呼称そのものだけでなく、「同じ職場で働く一員として認識されているかどうか」という実感が、組織への前向きな関わり方や働きやすさにつながる人も少なくないのではないかとコメントしている。

派遣社員として働く人は、仕事内容や待遇だけでなく、職場での呼ばれ方や評価、能力を発揮できているかにも目を向けてみたい。受け入れる企業側にとっても、雇用形態にかかわらず働きやすい関係や環境をつくれているかを振り返る材料となる調査結果だ。