通信制高校・サポート校に通う生徒の53.1%が、入学前に「学校に行きづらさがあった」と回答したことが、Gakken高等学院の調査で分かった。文部科学省の調査では、令和6年度の高等学校における不登校生徒数は約6万8千人。多様な学びの場の確保や、高校での学びを継続するための取り組みが進められている。

こうした中、通信制高校・サポート校を検討する家庭にとって、卒業資格だけでなく、本人のペースや通いやすさ、学校側の対応も確認したい点になるだろう。Gakken高等学院が、通信制高校・サポート校に通う高校生113人と保護者112人の計225人に学校選びと学校生活について聞いた。生徒本人と保護者が何を重視しているのか、また入学後にどのような実感や変化を挙げているのかを見ていく。

入学前、生徒53.1%が「学校に行きづらさがあった」

現在の通信制高校・サポート校に入る前の状況を複数回答で聞いたところ、生徒で最も多かったのは「学校に行きづらさがあった」53.1%(60人)だった。次いで「自分のペースで学びたかった」34.5%、「人間関係に不安があった」29.2%、「体調面に不安があった」27.4%となった。

保護者では「不登校・登校しぶりがあった」が40.2%(45人)で最多。「人間関係に不安があった」27.7%、「体調面に不安があった」26.8%、「前の学校が合わなかった」25.9%が続いた。学び方の希望に加え、登校や人間関係、体調など複数の事情が学校選びの背景にあることが分かる。

学校選びでは「高校卒業」と「自分のペース」を重視

学校を選ぶ際に各項目をどの程度重視したかを5段階で聞き、「非常に大事にした」「やや大事にした」を合計すると、生徒では「高校卒業を目指せること」が81.4%で最も高かった。「自分のペースで通えること」75.2%、「自分に合わせて対応してもらえること」73.5%が続く。

保護者では「高校卒業資格を確実に取得できること」75.0%が最多で、「子どもが納得すること」73.2%、「先生・スタッフが親身であること」70.5%、「子どものペースに合わせて通えること」67.9%となった。高校卒業に加え、本人の納得感やペース、学校側の関わり方も重視されていた。

最後の決め手、生徒は「通いやすかったから」

現在の学校を選んだ理由を複数回答で聞くと、生徒では「高校卒業を目指せそうだったから」53.1%、「自分のペースで通えそうだったから」45.1%が上位だった。

一方、「一番の理由」を一つだけ聞いたところ、「通いやすかったから」が26.5%で最多。「説明会・個別相談で安心できたから」が16.8%で続いた。

保護者の最終的な決め手では、「子ども本人が希望したから」が18.8%で最も多く、「高校卒業を目指せそうだったから」15.2%、「登校不安など子どもの状況を理解してくれそうだったから」11.6%となった。

入学後、生徒79.6%が「自分のペースで通えている」

入学後の学校生活について「非常にそう感じる」「ややそう感じる」と回答した割合は、生徒では「自分のペースで通えている」が79.6%で最も高かった。「高校卒業に向けて安心感がある」70.8%、「自分に合った対応をしてもらっている」と「好きなことや活動と両立しやすい」がともに64.6%だった。

保護者では「高校卒業資格取得に向けて安心感がある」が71.4%で最多。「子どものペースに合わせて通えている」67.9%、「不登校経験や登校不安への理解がある」67.0%、「先生・スタッフが親身である」66.1%が続いた。

入学後、生徒は「将来」、保護者は「外に出る機会」の変化を挙げる

入学後、自分自身に変化があったと思うことを生徒に聞くと、「将来のことを考えるようになった」が35.4%で最多だった。「前より明るくなった」34.5%、「自分に少し自信が持てるようになった」26.5%、「学校に行く不安が減った」24.8%が続いた。

保護者から見た子どもの変化では、「外に出る機会が増えた」が33.0%で最も高く、「自分に自信を持てるようになったように見える」24.1%、「学習に向かう姿勢が出てきた」と「生活リズムが整ってきた」がともに23.2%となった。

ただし、本調査は入学による変化の因果関係を示すものではない。

「再スタートを支える場所」と捉える生徒も

現在の通信制高校・サポート校がどのような場所に近いと思うかを聞いたところ、生徒では「不登校・登校不安からの再スタートを支える場所」が46.0%、「自分のペースで無理なく通える場所」が45.1%で上位だった。

保護者では「自分のペースで無理なく通える場所」が42.0%で最も高く、「不登校・登校不安からの再スタートを支える場所」が31.3%で続いた。

通信制高校・サポート校を検討する際は、卒業資格の取得条件だけでなく、通学のしやすさや本人のペース、相談体制も確認したい。生徒と保護者で重視する点が異なることもあるため、説明会や個別相談を通じて本人の希望を確かめながら検討したい。

調査概要

調査名:通信制高校・サポート校選びと学校生活に関するアンケート 調査対象:通信制高校のみ、または通信制高校+サポート校に通う高校生、およびその保護者 生徒向け調査:回答数113件 保護者向け調査:回答数112件 調査期間:2026年7月27日~2026年8月4日 調査方法:インターネット調査 ※事前のスクリーニング調査により、現在通信制高校・サポート校に通う高校生、またはその保護者を抽出して実施。 ※生徒向け調査と保護者向け調査はそれぞれ独立した回答者が対象で、親子として対応したデータではない。 ※割合は各設問の有効回答数を基に算出し、小数点第2位を四捨五入。複数回答設問では、回答割合の合計が100%を超える場合がある。 ※5段階評価の割合は「4」と「5」の回答数を合計して算出。

出典:文部科学省「令和6年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果及びこれを踏まえた対応の充実について」