親のNISAと、こどもNISA。どちらを優先する?

「子どもの教育費は、こどもNISAだけで運用すればいい」。そう考えたくなるが、必ずしもすべての家庭に当てはまるわけではない。年間60万円、非課税保有限度額600万円というこどもNISA の上限を、どう捉えるべきだろうか。また、親のNISAと、子ども名義のNISAについて、限られた家計のなかで、どう考えればいいのだろう。谷さんの答えは明快だ。

「まず、親御さんのNISAの枠がありますよね。まだ枠に余裕があるのであれば、そちらを使って運用するほうが、より機動的だと思います」

こどもNISAは子どもの将来に向けた資産形成を目的とした制度であり、払い出しにも一定の条件がある。一方、親のNISAに制約はない。

「投資において、制約・制限は極力避けるべきものです。まずは親のNISA枠から使うのがセオリーと言えるでしょう」

「いつ使うか」から逆算しつつ、メリットにも注目。

子どものためのお金には、ほかの資産形成とは少し違う特徴がある。中学、高校、大学への進学など、まとまったお金が必要になる時期をある程度予測できることだ。

「中・高・大学の進学など、ある程度ゴールを定めて、そこに向けて資産形成をしていく。これは有力な考え方だと思います。一方で、親の非課税枠を使い切ることにこだわらず、制度のメリットに目を向ける考え方もあります。こどもNISA口座を開設し、少額でも積み立ててみること自体が、親子でお金について話したり、祖父母から援助を受けたりすることを、ぐっと現実的にしてくれそうです」

*次回は、こどもNISAを通じた金融教育にフォーカスします。
*本記事は情報提供を⽬的としたものであり、特定の⾦融商品への投資を勧誘するものではありません。投資には元本割れのリスクがあります。投資判断はご⾃⾝の責任で⾏ってください。
*こどもNISAの制度内容は 2026年10⽉時点の情報です。最新情報は⾦融庁の公表資料等でご確認ください。



谷 健一郎(たに・けんいちろう)
SBI証券 カスタマーサクセス推進部 金融教育推進室 金融教育インストラクター。日系・米国系・ベンチャー証券などを経て、2020年にSBI証券へ。平成バブルからIT革命、9.11同時多発テロ、リーマン・ショック、コロナ・パンデミックまで、数々の相場の転換点をマーケットの現場で見てきた。私生活では一女一男の父。中学受験から大学受験まで、合格も浪人も経験しながら教育費のリアルを肌で知る。



取材・文:須賀美季 編集:フィガロジャポンBWA事務局