子どもの宿題やテストを見て、できたところよりも先に間違いを指摘してしまう。後から「もっと違う言い方ができたかもしれない」と感じる保護者もいるだろう。家庭で子どもをほめるには、よいところを見つけられるかだけでなく、それをどう言葉にするか、頑張る姿をいつ見られるかという難しさもある。ベネッセコーポレーションの「進研ゼミ 小学講座」は、小学3~6年生の親子696組に家庭でのコミュニケーションを調査した。保護者の97.7%が子どものよいところや成長を言葉で伝えたいと回答した一方、71.7%はほめる前にできていない点が目につくと答えた。子どもの回答と併せて、家庭での声かけの実態をみる。
保護者97.7%が成長を伝えたい一方、71.7%はできていない点が目につく
「お子さまのよいところや成長を、できるだけ言葉にして伝えたいと思いますか」という質問では、保護者の72.6%が「とてもそう思う」、25.1%が「まあそう思う」と回答し、合計97.7%となった。また、結果だけでなく努力したことも伝えたいと考える保護者は98.6%に上り、ほとんどの保護者が子どもの努力や過程を認めたいと考えていることがわかった。
一方、「ほめる前に、できていない点が目につく」と回答した保護者は71.7%だった。さらに61.4%が「ほめようと思っていても、注意や小言から入ってしまう」と回答した。子どもの成長や努力を認めたいという気持ちがある一方で、実際の声かけではできていないところに目が向きやすい実態がみられた。
保護者84.5%が叱った後に「別の言い方をしたかった」と回答
子どもを注意したり叱ったりした後に、「本当は別の言い方をしたかった」と思うことがあるかを聞くと、「よくある」が39.4%、「ときどきある」が45.1%となり、合計84.5%だった。
普段の子どもへの声かけについても、「注意・指摘することのほうがやや多い」が33.6%、「かなり多い」が20.7%で、合わせて54.3%が、ほめることよりも注意や指摘のほうが多いと回答している。保護者の多くが子どもの成長をほめたいと考えながらも、実際には注意が先に出てしまい、後から声のかけ方を振り返っている様子がうかがえる。
保護者68.2%が「同じ言葉ばかりになる」と回答、子ども43%は具体的な言葉を希望
子どもをほめるときの言葉については、保護者の68.2%が「『すごいね』『がんばったね』など、同じ言葉ばかりになる」と回答した。また、54.3%が「自分のほめ方が正しいのか、自信がない」と答えている。
一方、子どもに「おうちの人にほめてもらうとき、どんな言い方がよいですか」と聞いたところ、最も多かったのは「『ここがよかったね』と、よかったところを言ってほしい」で43.0%だった。
続いて「『がんばったね』と、できたことだけでなく、がんばっているところもほめてほしい」が42.5%となった。「『前よりできたね』と、できるようになったことをほめてほしい」は27.6%、「『よくできたね』と、できた結果をほめてほしい」は26.7%だった。
子どもの回答では、単に結果をほめてもらうことよりも、具体的によかったところや頑張った過程を言葉にしてもらいたいという希望が上位に挙がった。
ほめられた子どもの94.5%が「うれしい」、79.5%が「またやってみよう」
家庭でほめられたときに感じることについて、子どもの94.5%が「うれしい」と回答した。また、82.7%が「自分のことを見てくれていると思う」、71.7%が「自分に自信がつく」と答えた。
さらに、79.5%が「またやってみようと思う」、80.3%が「ほめられたことを、もう一度がんばろうと思う」と回答している。子どもがほめられたときには、うれしさだけでなく、自分のことを見てもらえているという実感や、次の取り組みに向けた前向きな気持ちを抱くことも多いようだ。
保護者82.6%、子どもが頑張っている場面を直接見られないことがある
子どもをほめたいと思っていても、時間やタイミングが合わないこともある。調査では、保護者の82.6%が「子どもが頑張っている場面を、直接見られないことがある」と回答した。
また、70.1%が「頑張りに気づいても、その場ですぐに声をかけられないことがある」、58.3%が「あとでほめようと思っているうちに、タイミングを逃してしまうことがある」と答えている。家庭での声かけは、保護者が子どもの頑張りに気づくことだけでなく、その場に居合わせたり、適切なタイミングで言葉をかけたりすることにも難しさがあるようだ。
家庭以外の大人がほめることに97.6%の保護者が価値を感じる
家庭だけでは見つけきれない子どもの努力や変化を、家庭以外の大人が継続して見つけ、ほめてくれることに価値があると思うかを聞いたところ、「とても価値があると思う」が72.7%、「まあ価値があると思う」が24.9%で、合計97.6%だった。
また、今の時代に必要だと思う子どもへの接し方では、以下の項目がいずれも97%以上となった。
「結果だけでなく、取り組んだ過程を具体的に伝える」97.0%
「前回からの小さな変化や成長を伝える」97.7%
「頑張ったことに気づいたとき、できるだけタイミングを逃さず伝える」97.3%
保護者と子どもの回答からは、保護者がほめる際に抱える難しさと、子どもが望む具体的な声かけが明らかになった。子どもに声をかける際は、結果だけを見るのではなく、前よりできるようになった点や工夫した跡を一つ探し、具体的に言葉にしてみてはどうだろうか。頑張る様子を見られなかった日も、ノートや答案を一緒に振り返ることが声かけの手がかりになる。
調査名称:ご家庭でのコミュニケーションに関する調査 調査対象:696組のご家庭(小学3~6年生の保護者とその子ども) 調査期間:2026年8月20日~8月27日 調査方法:インターネットによるアンケート調査
※回答割合は小数第2位を四捨五入しているため、内訳の合計と合算値が一致しない場合がある。複数回答の設問では合計が100%を超える。






