転職市場で人材を採用する企業にとっては、必要な人数を確保できるかだけでなく、経験やスキルが職場の期待に合うか、入社後に定着するかも重要なテーマである。マイナビが2026年1~6月に中途採用を行った企業の担当者1,600人を調査したところ、43.5%が正社員不足を実感し、管理職を中途採用した割合は54.8%に達した。中途採用の量と質への満足度は上がる一方、求職者の質や早期離職は課題として残る。転職を考える人にとっては、企業がどのような人材を求め、採用後に何を課題と感じているかを知る手掛かりとなる。

正社員不足43.5%、管理職層は2021年比で不足感が上昇

直近半年間で中途採用を行った企業の採用担当者に、正社員の過不足感を聞いたところ、43.5%が「不足している」と回答した。 役職別では「一般社員(役職についていない人材)」の不足感が43.1%で最も高く、「係長・主任・職長クラス」が39.2%、「課長クラス」が34.8%と続いた。2021年と比べると、部長・課長クラスの管理職層はいずれも不足感が約7pt上昇している。

中途採用を実施した理由では、「即戦力の補充」が47.3%で最多だった。「自己都合による退職者の増加」が32.4%、「年代別人員構成の適正化」と「既存事業の拡大」がともに29.6%で続く。 今後の中途採用については、「積極的になる」が計54.6%となり、半数以上が採用に積極的な姿勢を示した。

応募者・入社者とも未経験者が多い傾向

直近半年間の中途採用について、応募者の業界経験を聞くと、「未経験者が多い」が42.4%で、「経験者が多い」の24.5%を17.9pt上回った。 入社者でも「未経験者が多い」が34.6%で最多だったが、「経験者が多い」も30.3%となり、両者の差は4.3ptまで縮まった。応募段階と比べ、入社段階では「経験者が多い」とする企業の割合が高くなっている。

採用人数・人材の質への満足度は過去最高

中途採用の人数に対する満足度は49.6%、採用した人材の質に対する満足度は51.8%となった。いずれも調査開始以降で過去最高だった。 一方、中途採用活動の課題では、「求職者の質が低い」が34.4%で最多となった。「入社後、早期に退職してしまう社員が増加している」が33.0%、「母集団(応募者数)が確保できない」が31.1%で続いている。 採用結果に対する満足度が高まる一方、応募者の確保や採用後の定着には課題が残る結果となった。

管理職の中途採用54.8%、74.2%が満足

2026年1~6月に「管理職の中途採用を行った」と回答した割合は54.8%だった。2021年の38.1%から16.7pt上昇し、過去5年で最も高い結果となっている。

管理職を中途採用した理由では、「マネジメント経験が豊富な人材を求めたため」が33.8%で最多だった。次いで「高度な専門スキルを持つ人材が不足していたため」が30.5%、「管理職層の多様性を高めるため」が30.4%となった。

管理職の中途採用に対する満足度は74.2%。満足している理由としては「即戦力となる優秀な管理職を採用できた」「想定通りのスキルを持ち合わせていた」「期待していたよりも人柄・能力が上回っていた」などが挙がった。 一方、不満の理由には「面接内容と実際との差が大きい」「プレイングマネージャーしか集まらない」といった声もみられた。

転職を検討する際は、求人票に記載された経験・スキルの条件面だけでなく、入社後に期待される役割や担当範囲も確認しておきたい。採用する側にとっても、募集時の条件と実際の業務内容をすり合わせることが、採用後の定着を考えるうえで一つの確認点となる。

マイナビ「中途採用実態調査2026年版」 調査期間/2026年7月10日(金)~7月15日(水) 調査方法/インターネット調査 調査対象/2026年1~6月に中途採用業務を担当し、募集活動をしており、採用費用の管理・運用に携わっている人事担当者 調査機関/自社調べ 有効回答数/1,600人 ※調査結果は、端数四捨五入の都合により合計が100%にならない場合があります。