米は日々の食卓で身近な主食である一方、1人当たりの年間消費量は長期的に減っている。農林水産省によると、2024年度は53.4kgで、リリースでは昭和40年代の約116〜120kgから減少したとしている。こうした状況を背景に、日経BP 総合研究所は農林水産省「米需要創造価値推進事業」の補助金交付を受け、全国2,000人を対象に米食への意識を調査した。普段選ぶ主食だけでなく、朝・昼・夕の食べ方や栄養への認識、年代別の情報接点までみると、米が主食として定着する一方で、食べる機会や知識には差があることが分かった。日々の献立や朝食の取り方を考えるうえでも、生活者に身近なデータといえる。
米が「最も多く食べる主食」69.8%
「最も多く食べる主食」としてご飯(米)を選んだ人は69.8%だった。「最もコストパフォーマンスが良い主食」でも、ご飯を挙げた人は61.0%となり、米は現在も主食として広く選ばれている。
一方、3年前と比べたご飯の喫食量では「変わらない」が64.0%で最多だった。「減った・やや減った」は24.3%で、「増えた・やや増えた」の11.8%の約2倍となった。
朝食では33.6%が米を食べないか欠食
食事機会別にみると、「毎回ご飯(米)を食べる」人は朝食26.1%、昼食28.2%、夕食47.0%だった。夕食に比べ、朝食ではご飯を食べる割合が低い。
朝食で「主食としてご飯(米)を食べない」人は20.7%、「朝食を食べない」人は12.9%。合わせると33.6%となり、約3人に1人が朝食で米を食べていない、または朝食そのものを取っていなかった。夕食で「ご飯を食べない」人は3.3%で、朝食の20.7%はその約6倍となる。
米のタンパク質「知らない・意識なし」75.0%
主食を選ぶ際に重視することでは、「美味しさ・好み」が39.4%で最も多く、「価格・コストパフォーマンス」37.2%、「時短・手軽さ」13.1%と続いた。「タンパク質量」は10.9%、「糖質・炭水化物量」は7.7%で、栄養成分を重視する割合は相対的に低かった。
調査では、茶碗1杯(150g)のご飯に約3.5〜4gのタンパク質が含まれるとしている。この点について「知らなかった」が34.9%、「特に意識したことがなかった」が40.1%で、合計75.0%となった。
年代で健康への関心や情報接点に違い
年代別では、健康状態を「気になる・どちらかというと気になる」とした割合が、20代以下(15〜29歳)42.4%、30〜40代56.6%、50〜60代66.8%となり、年代が上がるほど高い傾向がみられた。
「最も多く食べる主食」として米を選んだ割合も、20代以下63.6%、30〜40代69.7%、50〜60代74.0%と差があった。
情報の入手・参考にする媒体では、20代以下はYouTube29.2%、Instagram22.4%、TikTok18.4%が上位だった。30〜40代はYouTube25.5%、レシピサイト・アプリ22.7%、Instagram14.3%。50〜60代ではテレビ23.5%、YouTube22.8%、レシピサイト・アプリ21.8%が上位となった。
有識者検討会、「朝食の空白」など4つの提言
日経BP 総合研究所は調査結果を踏まえ、2026年7月に栄養学、医学、運動生理学、農学などの専門家による有識者検討会を開催した。
検討会では、「米の健康価値を再定義する」「『朝食の空白』を新たな需要創造の機会とする」「世代・ライフスタイルに応じたコミュニケーションへ転換する」「医療・栄養指導のアップデートと『大人の食育』を推進する」の4つを提言した。
朝食については、おにぎりやお茶漬けなど少量でも手軽に取り入れられるメニューや、炊飯の手間を省けるパックごはんの活用などを提案。情報発信では、若年層にはSNSやショート動画、中高年層にはテレビやレシピサイト・アプリなど、年代や関心に応じた方法を挙げている。
朝食や主食の選び方を考えるときには、価格や手軽さ、栄養など、自分が何を重視しているかを振り返ってみるのもよいだろう。米を選ぶ場合は、おにぎりやパックごはんなど、生活リズムに合う取り入れ方も選択肢になる。
調査名称:米食に関する生活者意識調査 調査実施:2026年6月 調査対象:全国の生活者(15〜79歳) サンプル数:n=2,000(性年代別14区分で割付) 調査手法:オンライン定量調査(単一回答・複数回答・自由記述)全25問 調査実施・分析:日経BP 総合研究所




