地震や豪雨、台風などの災害は、住んでいる地域によって想定されるリスクや備えのあり方が異なる。日本財団は防災週間を前に、全国47都道府県の16~19歳4,700人を対象に「災害・防災」を調査した。
回答者を三大都市圏中心部・同周辺部・地方圏中心部・同周辺部の4タイプに分けて比較したところ、災害の増加や今後の激甚化を意識する人は各地域で8割を超えた。将来の被災への不安や、災害リスクを理由にした移住意識、地域コミュニティの有無にも地域差がみられる。
自宅の備えだけでなく、住む地域の防災環境や避難行動を見直すうえでも、若い世代が災害をどう捉えているかが見える調査だ。
災害の増加、今後の激甚化とも全地域で8割超
「近年、災害が増えてきたと思うか」との質問では、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」を合わせた割合が、男女ともすべての地域で8割を超えた。
特に女性では、三大都市圏中心部が92.1%、同周辺部が90.9%、地方圏中心部が90.1%、同周辺部が91.4%と、いずれも9割を超えている。
●近年、災害が増えてきたと思うか(都市タイプ別)
「今後、災害が激甚化していくと思うか」についても、肯定的な回答は全地域で8割超となった。女性では地方圏中心部が92.6%、同周辺部が92.7%など、いずれも9割を超えた。
●今後、災害が激甚化していくと思うか(都市タイプ別)
将来の被災に不安、三大都市圏中心部では男女とも7割超
日頃、「将来災害に遭うかもしれないという不安」を感じているかを尋ねたところ、「感じている」「どちらかといえば感じている」の合計は全地域で6割以上となった。
三大都市圏中心部では男性70.3%、女性72.3%と、ともに7割を超えた。地方圏周辺部でも男性60.0%、女性64.0%となっている。
●日頃、将来災害に遭うかもしれないという不安を感じているか(都市タイプ別)
巨大地震については、南海トラフ地震に80%強、日本海溝・千島海溝地震に70%前後が不安を感じている。首都直下地震では、三大都市圏の80%前後が不安を感じており、いずれも女性の割合が男性より高い傾向だった。
災害リスクを理由に移住を考えた人も25%以上
災害リスクを理由に他地域への移住を考えた経験について、「考えたことがある」「どちらかといえば考えたことがある」を合わせると、三大都市圏中心部では男性27.1%、女性26.6%だった。
地方圏中心部では男性31.6%、女性31.4%となり、3割を超えている。
●災害リスクを理由に他地域への移住を考えたことがあるか(都市タイプ別)
また、2026年5月から新しい防災気象情報の運用が始まったなか、自治体から「警戒レベル4:避難指示」が発令された際に取るべき行動を正しく認識していた人は約50%だった。
「助け合える地域コミュニティ」、都道府県で差
災害時に助け合える地域コミュニティが「存在する」と回答した割合は、三大都市圏より地方圏で高い傾向がみられた。
都道府県別では、福島県が58.0%で最も高く、静岡県57.0%、山梨県56.0%と続いた。下位は大阪府32.0%、福岡県34.0%、京都府35.0%だった。
●災害時、助け合えるコミュニティがある(都道府県別)
災害不安による人口減少への危機感、高知県が78.0%
災害への不安を理由に、将来的に地域の人口が減少することへの危機感を都道府県別にみると、高知県が78.0%で最も高かった。次いで徳島県71.0%、青森県63.0%となっている。
一方、下位は神奈川県18.0%、沖縄県25.0%、北海道29.0%だった。
●災害への不安を理由に、将来的に地域の人口が減少する危機感がある(都道府県別)
調査ではこのほか、河川の氾濫や台風、火山の噴火・山火事、猛暑への不安、災害への備え、防災インフラの強化などについても尋ねている。
災害への不安は地域を問わず広がっている。自宅や学校・職場周辺の災害リスク、避難先、自治体から届く避難情報の意味を確認し、家族や身近な人と、いざというときの行動を共有しておきたい。
第83回18歳意識調査「災害・防災(地域間比較調査)」 調査対象:47都道府県の16歳~19歳男女、計4,700名(17歳~19歳を優先対象とした。) 実施期間:2026年7月21日(火)~7月29日(水) 調査手法:インターネット調査





