出社するたびに「今日はどこに座ろう」と考える。フリーアドレスを取り入れたオフィスで働く人のなかには、そんな煩わしさを毎朝感じている人もいるかもしれない。自由に席を選べる仕組みは、部署を越えた交流や柔軟な働き方を目指して取り入れられることが多いようだが、実際に働く人がどう感じているのかは見えにくい。

アーバンプランが、フリーアドレス制度のあるオフィスに勤務し週3回以上出社する20〜50代の会社員1,007人に行った調査では、65.0%が席選びにストレスや迷いを感じると回答した。いつも同じ席やエリアを選びがちな人も85.6%にのぼる。フリーアドレスで働いているか否かにかかわらず、今の職場の働きやすさについて振り返るヒントとなるだろう。

席選びにストレスや迷いを「感じる」65.0%、最多の理由は「良い席が埋まっている」

フリーアドレスのオフィスで席を選ぶ際にストレスや迷いを感じるか尋ねたところ、「よく感じる」25.9%、「たまに感じる」39.1%で、合わせて65.0%が「感じる」と回答した。

「感じる」と答えた654人に、ストレスを感じる要素を聞くと、1位は「良い席が埋まっている」49.9%、2位は「PCやモニターなどの設備が整った席が少ない」40.8%、3位は「集中できる席(個室やブースなど)が少ない」32.6%だった。「特定の人がいつも同じ席を占領している」26.9%、「チームメンバーや関連部署の人が近くにいない」24.8%も続いた。

いつも同じ席を選ぶ傾向が「ある」85.6%、理由は「落ち着くから」が半数超

自由に席を選べる環境でも、結果的にいつも同じ席や決まったエリアばかり選んでしまう傾向があるか尋ねたところ、「とてもある」42.3%、「ややある」43.3%で、合わせて85.6%にのぼった。

傾向が「ある」と答えた862人にその理由を聞くと、「落ち着くから」54.6%が最も多く、「同じ部署のメンバーの近くに座りたいから」33.9%、「荷物の移動やロッカーとの往来がしやすいから」24.3%と続いた。「毎朝席を選ぶのがストレスだから」も24.1%に上った。

コミュニケーションの活性化を「感じる」人はほぼ半数

フリーアドレスであることで社内のコミュニケーションは活性化されていると感じるか尋ねたところ、「非常に活性化されていると感じる」10.7%、「やや活性化されていると感じる」38.8%で、合わせて49.5%だった。「あまり活性化されていると感じない」35.4%、「全く活性化されていると感じない」15.1%と、評価はほぼ半数ずつに分かれた。

席探しや話したい相手を探すために1日あたり平均どのくらいの時間を費やしているかでは、「5分未満」38.4%が最も多く、「5〜10分未満」29.4%、「10〜15分未満」23.3%と続いた。「15〜30分未満」は6.2%、「30分以上」は2.7%だった。

相手の居場所がわからない困りごと、「意思決定が遅れた」24.6%

話したい相手の居場所がわからないことで、どのような困りごとやストレスが発生したかを聞くと、1位は「居場所を確認する連絡をするのが面倒だった」35.3%、2位は「歩き回って探す手間がかかった」25.0%、3位は「急ぎの相談ができず意思決定が遅れた」24.6%だった。「上司に話しかけづらくなった」「気軽な雑談や情報共有が減った」もそれぞれ19.0%あった。

働きづらさの影響、最多は「リモートワークの頻度を増やしたくなる」30.2%

フリーアドレス環境でのストレスや働きづらさが、出社意欲や会社へのエンゲージメント(貢献意欲・定着率)にどのような影響を与えていると感じるか尋ねたところ、「リモートワークの頻度を増やしたくなる」30.2%が最も多く、「業務開始前に気疲れし、パフォーマンスが落ちる」24.8%、「オフィスでのコミュニケーションを避けるようになる」22.1%と続いた。「出社するのが億劫になる」も20.7%だった。

増やしてほしい設備、「チームや部署で集まれる固定席またはグループ席」34.8%が最多

前の質問で「特にマイナスの影響は感じていない」と答えた人を除く753人に、課題をなくすためにオフィスに増やしてほしい空間・設備を聞くと、「チームや部署で集まれる固定席またはグループ席」34.8%が最も多く、「集中ブースや個室」33.6%、「気軽に雑談できるカフェスペースやラウンジ」29.9%と続いた。

今後のオフィス環境に必要だと思う変化では、「一部の席を固定席に戻す(グループアドレスやハイブリッド運用)」28.7%が最多となり、「オフィス全体のレイアウトの抜本的な刷新(リノベーション)」23.9%、「用途に合わせた明確なゾーニング(集中エリアと交流エリアの分離など)」23.8%が続いた。

自分の「いつもの席」の理由を振り返ってみる

席選びにストレスや迷いを感じる人は65.0%、いつも同じ席やエリアを選びがちな人は85.6%だった。毎朝なんとなく座っている席が、落ち着くからなのか、設備や仲間の近さのためなのかを一度振り返ってみると、自分に合った働き方のヒントが見つかるかもしれない。職場で座席の使い方を話し合う機会があれば、困っていることを具体的に伝えてみてもよさそうだ。

【調査概要】 - 調査名称:「フリーアドレスの運用実態とオフィス環境」に関する調査 - 調査期間:2026年8月7日(金)~2026年8月8日(土) - 調査方法:PRIZMAによるインターネット調査 - 調査人数:1,007人 - 調査対象:調査回答時にフリーアドレス制度が導入されているオフィスに勤務し週3回以上出社する20〜50代の会社員と回答したモニター - 調査元:アーバンプラン - モニター提供元:サクリサ