かつて世界を席巻し、その後「失われた30年」に沈んだ日本企業。だが今、世界の投資家や専門家が、その「見えない強さ」に再び注目している。日本企業は復活できるのか──その可能性と課題を探る。

  • 「失われた30年」の先に何がある? 世界が再び注目する日本企業の「本当の実力」

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世界を席巻した日本企業はどこへ消えたのか

世界の株式市場における企業価値の推移は、日本企業の地位の変化を象徴的に映し出している。

1980年代末のバブル景気のピーク時、日本企業は世界の時価総額ランキング上位を席巻していた。NTTをはじめ、日本興業銀行、住友銀行などの金融機関、トヨタ自動車といった企業が世界のトップ企業として名を連ねた。

しかし現在、その景色は一変している。

アップル、マイクロソフト、エヌビディア、アルファベット、アマゾンなど、米国を中心とするテクノロジー企業が世界の株式市場を牽引する一方、日本企業の存在感は大きく後退した。これは単なる景気循環の結果ではない。

世界の価値創出の中心が、ハードウェアからソフトウェアへ、さらにデジタルプラットフォームへと移っていくなか、日本企業はその構造変化への対応で後れを取った。

その象徴の一つが半導体だ。

1980年代後半にはNEC、東芝、日立製作所など日本企業が世界市場で大きな存在感を誇っていた。しかしその後、半導体産業では設計に特化する「ファブレス」と、製造を担う「ファウンドリ」の水平分業が進展した。

  • 半導体産業

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自社で設計から製造までを手掛ける垂直統合型を得意としてきた日本企業は、この変化への対応に苦しんだ。

テレビや家電でも同様だ。かつて世界市場で圧倒的なブランド力を誇った日本勢は、液晶などの普及と製品のモジュール化が進むなか、韓国や中国メーカーとの激しい価格・投資競争に直面した。

携帯電話でも、日本企業は高機能な端末を生み出しながら、スマートフォン時代のOSやアプリを中心とする巨大なエコシステムを構築することができなかった。

日本企業の競争力が低下した背景には、世界で「価値を生む仕組み」そのものが変わるなか、その変化への対応が遅れたことがある。