10月はピンクリボン月間で、乳がん検診を呼びかける声を目にする機会も多いようだ。一方で、検診の結果「要精密検査」となった後、どこでどんな検査を受ければよいかまで知っている人は、それほど多くないのかもしれない。国立がん研究センターの統計では、乳がんは日本で年間約9.4万人の女性が診断され、生涯で約9人に1人がかかるとされる。

仁生社 江戸川病院が全国の30〜79歳の女性306名に行った調査では、精密検査先を選ぶ際に何を確認すればよいか「分からない」と答えた人が77.8%にのぼった。自分や家族が通知を受け取ったときのことを考えるための参考になりそうだ。

「確定診断に組織診が必要なことがある」、知らなかった人は66.7%

調査元の江戸川病院は、乳がんかどうかを特定する確定診断には「組織診(生検)」が必要になることがあるとしている。このことを知っているかを聞いたところ、「知らなかった」が47.7%、「そもそも組織診を知らなかった」が19.0%で、合わせて66.7%が知らなかった。「知っていた」は33.3%だった。

受けられる検査が医療機関で違うこと、具体的に知っている人は7.2%

医療機関によって受けられる乳がんの精密検査(種類)が違うことを知っているかを聞くと、「どの医療機関でもすべての検査が受けられると思っていた」が46.4%、「違いがあることは知っているが、具体的には分からない」が46.4%だった。「違うことを具体的に知っている」は7.2%にとどまった。

医師や技師で診断結果が異なり得ること、「知らなかった」72.5%

乳がんの精密検査を行う医師や技師によって、異なる診断結果になり得ることを知っているかについては、「知らなかった」が72.5%、「知っていた」が27.5%だった。

検査先選びで何を確認すればよいか「分からない」77.8%

精密検査を受ける医療機関を選ぶ際、何を確認すればよいか分かるかを聞いたところ、「あまり分からない」が49.0%、「まったく分からない」が28.8%で、合わせて77.8%だった。「大体分かる」は19.3%、「よく分かる」は2.9%だった。

最初に検討する医療機関、乳腺専門医がいるクリニックが62.1%

仮に要精密検査となり、自分で検査先を選ばなくてはならない場合に最初に検討する医療機関は、「乳腺専門医がいるクリニック」が62.1%、「乳腺専門医がいる総合病院や大学病院」が37.9%だった。

クリニックを選んだ190名に理由を聞くと(複数回答)、「紹介状がなくても受診できるから」が48.4%で最も多く、「早く予約を取れそうだから」37.9%、「家や職場から近そうだから」32.6%、「がんと決まっていない段階で大病院に行くのは大げさだから」29.5%が続いた。

総合病院・大学病院を選んだ116名では(複数回答)、「規模の大きい病院のほうが安心だから」が56.9%、「万一乳がんだった場合、そのまま治療を受けられるから」が48.3%だった。「最新の検査機器が揃っていそうだから」「受けられる検査が豊富そうだから」はいずれも38.8%だった。

最も重視する点は「家や職場から近い」21.9%、「診断経験の多い医師」は8.2%

自分で精密検査を受ける医療機関を選ぶ際に最も重視することは、「家や職場から近い」が21.9%で最多だった。「早く予約を取れる」19.3%、「平日夜間や土日に受診できる」8.5%と合わせると、利便性に関する回答が約5割を占めた。

一方、「受けられる検査が豊富」は13.7%、「診断経験の多い医師がいる」は8.2%、「乳がん手術の実績が豊富」は1.6%だった。

通知を受け取る前に、近くの医療機関を調べておく

精密検査先を選ぶ際に何を確認すればよいか分からない人は約8割いた一方、実際に重視する点は近さや予約の早さが中心だった。通知を受け取ってから慌てて探すのではなく、検診の機会に、身近な医療機関でどんな検査を受けられるのかを一度調べておくと、いざというときに落ち着いて選びやすくなるのではないだろうか。

調査主体:江戸川病院 調査方法:インターネットリサーチ 調査期間:2026年9月18日 調査対象:全国の30歳~79歳女性 有効回答数:306名