全国で最も魅力的と評価されている市区町村はどこだろうか。旅行で訪れたい場所、暮らしてみたい街、地元の特産品を買いたい地域など、人が地域に感じる魅力にはさまざまな側面がある。
ブランド総合研究所が発表した「地域ブランド調査2026」では、札幌市が3年ぶり、10度目となる市区町村魅力度ランキング1位に返り咲いた。前年1位の函館市は2位、小樽市は初の3位となり、北海道の3市が上位を独占した。一方、別府市や草津町など、温泉地を抱える自治体でも順位の上昇が目立った。
同調査は、全国1,000市区町村と47都道府県を対象に、消費者が各地域の魅力や認知度、観光意欲、居住意欲などを評価するもの。2006年から毎年実施され、今回で21回目となる。全国の20代~70代の消費者31,666人から得た有効回答をもとに集計・分析している。
市区町村魅力度ランキング、札幌市が1位に返り咲き
2026年の市区町村魅力度ランキングでは、札幌市が52.6点で1位となった。前年は51.8点で2位だったが、今回は3年ぶり、10度目の首位となった。
2位は函館市(52.1点)、3位は小樽市(47.9点)。小樽市は前年4位から順位を上げ、初めてトップ3に入った。
4位は京都市(47.4点)、5位は横浜市(46.9点)と続いた。北海道からは7位に富良野市(43.3点)もランクインしている。
全国1,000市区町村の魅力度の平均点は11.8点となり、前年の11.2点を上回って過去最高を更新した。
前年より魅力度が上昇した自治体は634市区町村と、全体の6割を超えた。このうち406市区町村は過去最高の得点となっている。
ブランド総合研究所は、魅力度上昇の背景として、スキー場などでの夏季集客につながる展望型施設の開設や、各地の歴史・文化を体験できる高付加価値の観光プログラムの充実などを挙げている。
※調査で用いる「魅力度」は、地域名を提示して「どの程度魅力的に思うか」を5段階で尋ねた結果から算出したもの。「とても魅力的」と回答した割合に100点、「やや魅力的」と回答した割合に50点を掛けて合計した数値を記載している。
別府市は29位から12位へ 草津町など温泉地も順位上昇
今回、魅力度の順位を大きく伸ばした自治体の一つが大分県別府市だ。
別府市は前年29位から12位に上昇。魅力度も32.9点から40.2点へと7.3点上昇し、全国1,000市区町村の中で最大の伸びを記録した。
年代別では、特に20代からの評価が大きく上昇している。
群馬県草津町も前年30位から18位へ上昇した。別府市とは異なり、30代と40代からの魅力度が大きく上昇しており、温泉地でも年代によって評価の高まり方に違いがみられた。
このほか、神奈川県箱根町は前年17位から14位、静岡県伊豆市は27位から25位、大分県由布市は33位から30位、北海道登別市は61位から40位に上昇した。
温泉地を抱える自治体が上位に多く入り、観光資源が地域の魅力度を支える要素の一つとなっていることがうかがえる。
また、熊本市は前年70位から34位へ大きく順位を上げた。今回の調査は2026年7月の地震が発生する前に実施されたものであり、同地震による直接的な影響は含まれていない。ブランド総合研究所によれば、熊本県のキャラクター「くまモン」がデビュー15周年を迎えたことによる注目度の高まりが、魅力度上昇の一因となった可能性があるという。
観光意欲度は札幌市が1位、那覇市と石垣市が順位上昇
地域ブランド調査では、魅力度以外にも観光意欲度、居住意欲度、認知度、情報接触度、産品想起率など、各地域を多角的に評価している。
観光意欲度では、札幌市が54.5点で1位、函館市が51.5点で2位となり、両市とも前年と同じ順位だった。
3位には、前年13位だった沖縄県那覇市が48.3点でランクイン。沖縄県石垣市も前年23位から6位へ順位を上げ、46.3点となった。
観光意欲度は、地域を観光目的で訪れたいという意向を示す指標であり、地域全体の魅力度ランキングとは異なる結果がみられる。
一方、認知度と情報接触度では大阪市がともに1位となった。
大阪市は前年、両指標で5位だったが、今回は認知度63.6点、情報接触度58.3点を記録した。ブランド総合研究所は、大阪・関西万博が開かれていたことにも触れている。
居住意欲度は横浜市が14年連続1位、食品想起率は夕張市が首位
居住意欲度では、横浜市が21.2点で1位となった。2013年から14年連続の首位で、前年の19.2点から2.0点上昇した。
2位は神戸市で20.7点。こちらも前年の18.7点から2.0点上昇し、順位は前年と変わらなかった。
両市とも2022年に居住意欲度が過去最高点となった後は下降傾向にあったが、今回は上昇に転じた。
3位は福岡市(19.2点)、4位は鎌倉市(18.2点)、5位は東京都世田谷区(18.0点)だった。
また、地域の産品についての評価にも違いがみられた。
「購入・飲食したい食品・メニュー」を思い浮かべる食品想起率では、北海道夕張市が40.1%で1位となった。想起された食品のほとんどは夕張メロンだった。
食品以外の産品想起率では、石川県輪島市が15.2%で1位となり、購入したい産品として想起されたもののほとんどが輪島塗だった。
地域の魅力は観光や居住に限らず、各地の特産品にも表れている。
今回の調査では、魅力度ランキングの上位を北海道の市が占める一方、観光意欲度、居住意欲度、産品想起率では異なる地域が上位に入った。旅行先を選ぶときや地域の特色を知りたいときには、魅力度だけでなく、目的に応じた指標も比較してみるとよいだろう。
調査概要 調査名:地域ブランド調査2026 調査主体:ブランド総合研究所 調査方法:インターネット調査 調査対象:全国1,000市区町村(全792市、東京23区、185町村)および47都道府県 回答者:20代~70代の消費者 有効回収数:31,666人 調査時期:2026年6月23日~7月17日 調査項目:魅力度、認知度、情報接触度、観光意欲度、居住意欲度、地域イメージ、産品想起率など計91項目 集計方法:年齢や地域の人口分布に合わせて再集計

