人事異動や退職、組織変更などで担当業務を引き継ぐとき、資料の有無だけでなく、業務の進め方や判断基準を次の担当者へどう渡すかも課題になる。引き継ぎの文化があるといわれる職場でも、手順や上司の関わり方まで決まっているとは限らない。
AIを活用した業務改善コンサルティングなどを手がけるtaiziiiは、従業員1,000名以上の大企業に勤務する管理職(課長職以上)200名を対象に「業務引き継ぎに関する実態調査」を実施した。調査では、文化への肯定評価が半数を超える一方、標準化や上司の関わり方にはばらつきがみられた。
引き継ぎ文化、「整っている」40.0%
組織で引き継ぎを円滑に進めるための文化が整っているかを尋ねたところ、「整っている」が40.0%、「非常に整っている」が15.0%だった。両者を合わせた肯定回答は55.0%となる。
一方、「あまり整っていない」は12.5%、「全く整っていない」は10.0%で、否定回答は計22.5%。「どちらとも」は22.5%だった。
プロセスやルール、「標準化されていない」36.0%
引き継ぎに関するプロセスやルールの標準化については、「標準化されている」が64.0%、「標準化されていない」が36.0%だった。
引き継ぎ文化への肯定回答が55.0%に上る一方、3割を超える管理職がプロセスやルールについて「標準化されていない」と回答しており、文化への評価と具体的な仕組みの整備状況には違いがみられる。
上司の非関与は計22.0%
引き継ぎにおける上司の関与については、「関与している」が35.5%、「非常に関与」が13.0%で、関与側は計48.5%だった。
一方、「あまり関与せず」は16.0%、「全く関与せず」は6.0%で、非関与側は計22.0%となった。「どちらとも」は29.5%だった。
引き継ぎを「重要」とする回答は計60.0%
組織で業務の引き継ぎがどの程度重要だと考えられているかについては、「非常に重要」が34.5%、「重要」が14.0%、「やや重要」が11.5%で、重要側の回答は計60.0%となった。一方、「全く重要でない」は17.5%だった。
taiziiiは、文化への肯定評価や重要性への認識が半数を超える一方、プロセスやルールの標準化、上司の関与には課題が残るとしている。また、会社に求めるサポートでは「プロセスの標準化」が44.0%と上位に入ったという。
自社の引き継ぎを見直す際は、文化が根付いているかだけでなく、手順やルールが標準化されているか、上司がどの程度関与しているかも確かめておきたい。異動や退職が決まってからではなく、平時から役割やフォーマットを整理しておくことが、引き継ぎの質をそろえる第一歩になるだろう。
調査名:業務引き継ぎに関する実態調査 調査主体:taiziii 調査方法:インターネット調査 調査対象:従業員1,000名以上の大企業に勤務する管理職(課長職以上) 有効回答数:200 調査期間:2026年2月24日〜3月6日 年齢構成:30代以下15.5% / 40代33.0% / 50代33.5% / 60代以上18.0% 業種構成:製造業32.5% / 情報通信15.0% / 金融・保険12.5% / サービス10.5% / その他29.5%



