収入を増やすためだけでなく、本業とは違う仕事で経験を積んだり、将来のキャリアを考えたりする機会として副業を選ぶ人もいる。企業側にとっても、社内にない専門知識やスキルを持つ人材を活用する選択肢の一つだ。

ただ、本業と両立するなら、働く時間の調整に加えて、業務時間外に届く連絡への対応も悩みどころだ。返信する時間帯が決まっていなければ、仕事と私生活の境目があいまいになりやすい。

lotsfulが全国の20~40代の会社員668人を対象に実施した「副業意識・行動・価値観の定点観測調査」では、副業実施率が前回調査から7.4ポイント増加した。また、副業収入や実施理由の変化に加え、副業先との連絡ルールに対する意識も明らかになった。

副業実施率46.7%、今後半年の実施意向は53.9%

直近半年間に副業を「実施した」と回答した人は46.7%で、前回の2026年5月調査(39.3%)から7.4ポイント増加した。前年同期の2025年8月(39.5%)と比べても7.2ポイント上昇している。

調査は2022年5月から継続しており、今回の46.7%は、掲載された過去の調査結果と比較して最も高い水準となった。

今後半年間に「実施するつもりだ」と回答した人も53.9%となり、前回調査の48.2%から5.7ポイント増加した。

副業の実施経験と今後の意向のいずれも前回調査を上回り、今後半年間に副業を行う意向を持つ人は半数を超えた。

副業月収30万円以上は19.3%、約3年ぶりに19%超

副業で得た月あたりの平均収入では、「5万円未満」が20.9%となり、前回調査の32.2%から11.3ポイント減少した。

一方、「5万〜10万円未満」は21.6%で前回比2.0ポイント増、「10万〜20万円未満」は22.6%で同6.3ポイント増となり、副業で一定の収入を得る人が広がっている。

また、副業月収30万円以上の割合は19.3%となり、前回調査から1.9ポイント増加。2023年5月以来、約3年ぶりに19%を超えた。

副業月収5万円未満の割合が減少する一方、5万〜20万円未満や30万円以上の割合が増加する結果となった。

副業の理由、「将来のキャリア」「気分転換」が増加

直近半年間に副業を実施した理由では、「自由に使えるお金を増やしたい」が35.8%で最多だった。ただし、前回調査の40.8%からは5.0ポイント減少している。

一方、「自身の将来のキャリアに関して考えた」は24.0%で、前回の17.1%から6.9ポイント増加。「気分転換」も18.0%から24.7%へ6.7ポイント上昇した。

このほか、「副業をすることに興味を持った」は27.0%、「プライベートの生活環境に変化があった」は20.9%となった。

収入を増やすことが引き続き主な理由となる一方、キャリアについて考えることや気分転換を目的に副業を行う人の割合も高まっている。

副業開始時の連絡ルール、41.2%が明確に合意

副業を行う際には、本業の勤務時間や私生活との兼ね合いから、副業先といつ連絡を取るかも重要になる。

副業に関する設問に回答した296人に、副業開始時の連絡可能な時間帯について尋ねたところ、「契約書や口頭などで明確に取り決め・合意していた」が41.2%で最多だった。

「お互いの稼働時間帯を把握・配慮していた」は36.1%で、両者を合わせると77.3%となる。

一方、「特に連絡時間帯に関する取り決めや話題はなかった」は14.9%、「覚えていない/意識したことがない」は7.8%だった。

明確な合意や相互配慮がある人が多い一方、連絡可能な時間帯について取り決めをしていない人も一定数いることがわかった。

副業先からの時間外連絡、64.9%が負担を感じながら即時対応

副業の稼働時間外、または本業中に副業先から連絡が来た場合の対応についても、296人に尋ねた。

最も多かったのは、「(本音は嫌・困るが)気になって落ち着かないため、結局すぐに返信・対応してしまう」で43.6%だった。

次いで、「通知だけ確認し、緊急度が高そうな場合のみすぐ返信・対応する」が23.0%、「(本音は嫌・困るが)評価低下や案件終了が怖いため、すぐに返信・対応してしまう」が21.3%となった。

心理的な負担を感じながらも即時対応する2項目の合計は64.9%に上る。一方、「自分の副業対応可能時間になるまで返信・対応は寝かせる」は7.4%にとどまった。

83.5%が「つながらない権利」への配慮を希望

「つながらない権利」とは、勤務時間外や休日に、メールやチャットなどの業務連絡への対応を拒否・遮断できる権利を指す。

副業先に対して、この権利に関する配慮や工夫をしてほしいと感じたことがあるか、296人に尋ねたところ、「強く感じる」が33.8%、「やや感じる」が49.7%だった。

両者を合わせた83.5%が、副業先からの時間外連絡に対する配慮を希望している。

一方、「あまり感じない」は11.5%、「全く感じない」は5.1%だった。

性別・年代別では、20代男性の42.6%、20代女性の37.5%が「強く感じる」と回答した。「やや感じる」も含めると、20代男性は88.5%、20代女性は93.7%となる。

30代男性は86.0%、30代女性は86.5%だったのに対し、40代男性は62.1%、40代女性は64.6%だった。

今回の調査では、20代・30代のほうが40代よりも時間外連絡への配慮を求める割合が高かった。

本業の年収別では、年収1,000万〜1,500万円未満の層で「強く感じる」が71.4%となった。同層では「やや感じる」も21.4%で、合計92.8%が配慮を希望している。

年収1,500万円以上の層でも「強く感じる」が60.0%となり、本業で高い年収を得ている層でも、副業先からの時間外連絡に配慮を求める回答がみられた。

理想の連絡ルール、38.5%が「急ぎではない」と明記を希望

副業先とのコミュニケーションにおいて、理想とする連絡ルールを複数回答で尋ねたところ、最多は「稼働時間外の連絡には『急ぎではない』『返信は稼働時でOK』などの補足を添えてほしい」で38.5%だった。

次いで、「稼働時間外の連絡は『予約送信機能』等を使い、翌営業日や指定時間に届くようにしてほしい」が30.4%、「案件開始時に連絡可能な時間帯を双方で明確にすり合わせたい」が26.7%だった。

また、「緊急時以外の電話・即レス要請をやめてほしい」が25.7%、「現状に満足・特に要望はない」は11.1%となった。

時間外に連絡する場合でも緊急性や返信期限を明示すること、あらかじめ連絡可能な時間帯を共有することなどが求められている。

今回の調査では、副業実施率の上昇や収入面の変化に加え、時間外連絡への心理的な負担も明らかになった。

副業を始めるときは、報酬や業務内容だけでなく、連絡可能な時間帯や返信期限、緊急時の対応方法についても事前に確認しておきたい。副業人材を受け入れる企業にとっても、双方が無理なく仕事を進められるよう、連絡ルールを先に共有しておくことが大切だ。

調査概要 調査名:副業意識・行動・価値観の定点観測調査(2026年8月版) 調査手法:インターネット調査(Fastask) 調査対象:全国の企業に勤める会社員(20〜40歳代の男女) 調査期間:2026年8月6日(木)〜8月9日(日) 対象人数:668人 ※副業開始時の連絡ルール、時間外連絡への対応、配慮要望、理想の連絡ルールに関する図表の回答者数は296人。