• 若年期・中年期の口腔状態と、高齢期のオーラルフレイル該当との関連

    若年期・中年期の口腔状態と、高齢期のオーラルフレイル該当との関連

「オーラルフレイル」とは?

オーラルフレイルとは、口の機能が健康な状態と、機能が低下した状態の間にある段階を指す。歯の喪失や、食べる・話すといった口腔機能の軽微な衰えが重なる状態で、改善できる可能性がある一方、食事の質や心の健康への影響に加え、要介護や死亡リスクとの関連も報告されている。

今回の研究では、2021年に千葉県柏市に住む65歳以上の健康な高齢者を対象に実施した調査から、データに不備のない1,596人を解析した。

現在のオーラルフレイルの有無と、若年期の15歳時、中年期の40~64歳時に自分の口腔状態をどう認識していたかとの関連を調べた。

オーラルフレイル該当者、中年期に「口腔状態が悪かった」が39.6%

対象者1,596人のうち、オーラルフレイルに該当したのは497人、31.1%だった。

オーラルフレイル該当者のうち、若年期に口腔状態が悪かったと回答した人は14.5%。非該当者では5.7%だった。

中年期については、オーラルフレイル該当者の39.6%が口腔状態が悪かったと回答。非該当者では17.0%となっている。

  • オーラルフレイル該当者と非該当者の若年期・中年期の口腔状態

    オーラルフレイル該当者と非該当者の若年期・中年期の口腔状態

若年期、中年期のいずれについても、現在オーラルフレイルに該当する人の方が、過去の口腔状態を「悪かった」と回答した割合が高かった。

若年期・中年期とも不調だとオッズ比4.55

さらに年齢、性別、BMI、教育年数、認知機能、服薬数などの影響を調整して分析した。

若年期・中年期ともに口腔状態が良かった人を基準の1とすると、オーラルフレイルに該当するオッズ比は「若年期のみ悪かった」人で2.81、「中年期のみ悪かった」人では3.45となった。

そして、若年期・中年期の両方で口腔状態が悪かった人では4.55と、最も高い値を示した。

研究グループでは、こうした結果から、オーラルフレイルへの対策は高齢になってからだけでなく、若年期から継続的に口腔の健康を管理することが重要だとしている。

東京大学高齢社会総合研究機構の飯島勝矢機構長・教授も、今回の研究について、口腔の健康が高齢期だけの問題ではなく、生涯を通じて取り組む重要性を示す知見だとしている。

研究成果は、日本老年歯科医学会第37回学術大会で発表された。