新卒採用の早期化は、就職活動を始める学生だけでなく、採用を担う人事や面接に参加する現場社員にも影響する。dodaキャンパスの調査では、27卒採用で最終面談や内定・内々定の時期を5年前より前倒しした企業が約7割に達した。

一方、前倒しによるデメリットとして69.3%が「採用活動が長期化し、人事・現場の負担が大きくなっていること」を挙げている。

28卒では「前倒し実施予定はない」が32.2%で、「オープンカンパニーの実施時期を前倒し」と同率トップだった。学生にとっては企業との接点が早まる一方、企業側では採用活動の長期化が負担になっている実態が見える。

27卒、最終面談と内定・内々定の前倒しが約7割

ベネッセ i-キャリアが運営する新卒オファーサービス「dodaキャンパス」は、「企業の27・28卒採用活動に関する実態調査」を実施した。

27卒の採用活動について、5年前の22卒採用と実施時期を比較したところ、「内定・内々定出しの時期を前倒し」した企業は71.2%、「最終面談(採用選考)時期を前倒し」した企業は70.0%だった。

オープンカンパニーを前倒しした企業は58.9%、インターンシップを前倒しした企業は34.0%となっている。

なお、調査では「内定」を労働契約が成立した状態、「内々定」を企業が示す非公式な採用意思としている。

前倒しのメリットは「母集団の量」、デメリットは採用活動の長期化

採用施策を前倒ししたことで生じたメリットを聞くと、「母集団の量が増えた」が46.9%で最も多かった。「母集団の質が上がった」は33.8%、「内定承諾率が上がった」は12.7%だった。

一方、デメリットでは「採用活動が長期化し、人事・現場の負担が大きくなっていること」が69.3%で最多となった。「内定辞退や内定承諾辞退が増えたこと」は35.3%、「採用コストが増加したこと」は34.0%だった。

このほか、「学生の理解や志望度が十分でないまま、選考が進むことで、採用後のミスマッチや、早期離職につながる懸念があること」は31.2%となっている。

28卒は「前倒し予定なし」が32.2%

28卒の採用活動について、27卒より各施策を前倒しする予定があるか聞いたところ、「前倒し実施予定はない」と「オープンカンパニーの実施時期を前倒ししている」が、それぞれ32.2%で同率トップとなった。

「(最終面談)選考開始時期を前倒ししている」は24.7%、「内定・内々定出しの時期を前倒ししている」は19.1%、「インターンシップの選考(実施)時期を前倒ししている」は13.8%だった。

28卒の採用活動を行う予定の企業は95.5%だった。

また、インターンシップ募集前にオープンカンパニーなどを通じて学生との接点を持った、または持つ予定の企業は53.6%だった。

学生と初めて接点を持った、または持つ予定の時期では、「大学2年次3月以前」が8.3%となっている。大学3年次では「6月」が15.2%、「4月」が14.6%、「5月」が13.9%だった。

27卒の内定・内々定、大学3年次12月~3月が51.1%

27卒採用で最も早く内定・内々定を出した時期では、「大学3年次12月」が16.7%で最多だった。

大学3年次12月から3月までを合計すると51.1%となり、半数を超える企業が大学4年次に進級する前までに内定・内々定を出していた。

一方、5月末時点での採用目標に対する内定承諾人数を見ると、「30%以下」が27.5%、「40~50%」が16.8%だった。両者を合わせた44.3%の企業では、5月末時点で内定承諾人数が採用目標の半数以下となっていた。

27・28卒の学生は、採用活動が以前に比べて前倒しされている現状を踏まえて、志望企業ごとにオープンカンパニーやインターンシップ、選考開始時期を早めに確認しておきたい。

採用担当者も、採用活動の前倒しによるメリットと、長期化による現場負担の双方を、今回の調査結果と照らして確認しておきたい。