YouTube番組「佐久間宣行の Hello Future」第1回では、佐久間宣行氏と池谷実悠氏が東京大学の学生・若手研究員と「ワクワクする未来」を語り合う。研究の先にどんな暮らしやエンタメ、ビジネスが生まれるのか。現在進行形の研究から、少し先の未来をのぞいていく。
装着型ドローンで「月面のように歩く」
最初に登場するのは、人間の身体能力を技術で拡張する研究だ。
東京大学大学院の仲村友杜氏が研究しているのは、プロペラの推力で人を持ち上げ、通常より高く、遠く、長くジャンプすることを目指す「装着型ドローン」。重力から少し解放されたように、ふわふわと歩いたり跳んだりできる未来を描いている。
佐久間氏は、アスレチックやゲームなどエンタメとの相性に加え、災害時の支援にも可能性を感じる。一方、中村氏が思い描くのは、空を飛ぶというより「月面を歩くような感覚」「ゲームキャラクターのような動き」だという。
ロケットが飛行機のようになったら、宇宙でライブも?
続いて語られるのは、ロケットが飛行機のように当たり前に飛ぶ未来だ。
ロケットなどに応用できる熱交換部品を研究する東京大学大学院の犬井隆介氏は、宇宙へ行くこと自体ではなく、その先で「何をするか」が問われる時代を想像する。
そこで佐久間氏から飛び出したのが、宇宙を背景にした演劇や映画、月を眺めながらのライブ、さらには宇宙スポーツといったアイデアだ。ロケットがインフラになれば、宇宙は特別な場所ではなく、産業やエンタメが広がる新しい舞台になるかもしれない。
スマホが「あの日の夢」を思い出させる?
身近なテーマとして登場するのが、「先延ばし」の研究だ。
東京大学大学院で認知心理学の観点から先延ばしを研究する柏倉沙耶氏が描くのは、「あの日の夢の続きを見つけられる世界」。人は、遠い未来やぼんやりした目標ほど具体的にイメージしにくく、考えること自体を先延ばしてしまいやすいという。
一方、スマホや最新の技術は、映像や情報を通じて「こんなことをしてみたい」「こんな自分になりたい」という未来を具体的に見せてくれる。柏倉氏は、それが行動を始めるための「思考の呼び水」になり得ると考えている。例えば、自身が幼いころ「セーラームーンになりたい」と思っていたことを後から思い出し、大人になって始めた合気道の技に接点を見いだした。
さらに研究では、先延ばしには「ダメだと分かっていてもやってしまうもの」だけでなく、あえて時間を置く「戦略的な先延ばし」もあるとする。佐久間氏も、自分のやる気を引き出す「モチベーションVTR」をスマホが作ってくれたら、と発想を広げていた。
家やロボットが、人間の可能性を広げる
未来の技術は、日々の暮らしにも入ってくる。
東京大学大学院・西田直利の研究はスマートホーム。カメラを使わず、イヤホンや腕時計、スマートフォンに搭載されたセンサーから人の動きを推測する技術が紹介される。プライバシーを守りながら、家そのものが住人の様子を理解し、必要なときに自然に支援する未来だ。
さらに東京大学大学院・田堂皓也氏のヒューマノイド研究では、人型ロボットを遠隔操作することで、身体や場所の制約を越える可能性が語られる。入院中など自由に移動できない人でも、遠隔地のロボットを自分の身体のように動かし、人と交流できるかもしれない。
一方で佐久間氏は、便利さだけでなく、軍事利用など「怖い未来」にもつながり得ると指摘する。技術が進むほど、それをどう使うかという人間側の判断も重要になる。
番組の最後に佐久間氏が語ったのは、若い研究者たちが描く未来を聞くことで「自分の解像度も上がっていく」という感覚だ。面白いから研究する。家族を助けたいから研究する。自分が見たい未来を実現したいから研究する。
未来の技術は、遠い世界の話ではない。誰かの「こうなったら面白い」という想像から始まり、それが新しい暮らしやビジネスにつながっていく。研究者たちの話を聞いていると、自分ならどんな未来にワクワクするのか、少し考えてみたくなる。




