人手不足が続く職場で、AIやデジタル化による業務効率化が注目されている。一方、新しいツールの導入だけでなく、日々の仕事の進め方そのものも課題となっているようだ。ベルシステム24ホールディングスが、従業員30人以上の民間企業に勤務する管理職542人を調査したところ、8割弱が人手不足を実感。さらに、二重入力や紙書類の処理、会議資料の作成など、AIやデジタル化で無くしたい事務作業に1人1日平均2時間ほどを費やしていることがわかった。業務効率化やAI導入を検討する企業や管理職にとって、現在の業務を見直す際の参考になりそうだ。

78.6%が人手不足を実感

ベルシステム24ホールディングスは、従業員30人以上から5,000人以上まで、規模の異なる民間企業に勤務する管理職542人を対象に「企業の業務効率化に関するアンケート調査」を実施した。

人手不足について「強く感じている」と答えた人は31.2%、「やや感じている」は47.4%。合計すると78.6%となり、全体の8割弱が人手不足を感じていた。

「無くしたい事務作業」、二重入力・転記が最多

人手不足が続くなか、AIやデジタル化で無くしたいと感じる事務作業についても尋ねている。

最も多かったのは「同じ内容の、紙、Excel、システムなどへの二重入力・転記」で35.8%。次いで「紙の書類の印刷・押印・回覧・スキャン・郵送」が32.3%、「会議のための資料作成」が31.7%だった。

同じ情報を複数の場所へ入力したり、紙の書類を印刷して回覧したりといった、日常的に発生する事務作業が上位に並んでいる。

「無くしたい事務作業」に1日平均2時間

こうした「AIやデジタル化で無くしたい事務作業」に、どの程度の時間を使っているのだろうか。

1日あたりに費やす時間では「2時間~3時間未満」が29.6%で最も多く、「1時間~2時間未満」が28.3%で続いた。全体の回答を平均すると、1人1日あたり2時間ほどになるという。

生成AIの導入割合は全体で33.7%

生成AIの導入割合は全体で33.7%だった。企業規模が大きくなるほど導入割合が高くなる傾向もみられた。

従業員30~99人の企業では17.2%、300~999人では33.0%、5,000人以上では55.9%。5,000人以上の企業では過半数が生成AIを導入している。

AI活用の課題、最多は「データの入力や整備」

一方、AIで成果を出す上では、さまざまな課題も挙がっている。

AIで成果を出す上での課題として最も多かったのは、「AIに読み込ませるデータの入力や整備(データ入力・整形・クレンジング・統合など)に手間がかかる」で37.7%。

次いで、「(業務が属人化しており、)業務プロセスを標準化しなければ、AIを部署全体で有効に活用しきれない」が30.2%だった。AIツールそのものより、AIを活用する前段階にあるデータや業務プロセスの整備が上位に挙がっている。

主要業務の標準化、全体では48.0%

調査では、業務プロセスの標準化についても尋ねている。

「ほとんどの業務プロセスは標準化されており、業務の属人化はほとんどない」と「主要な業務プロセスは標準化されているが、一部の業務は属人化している」を合わせた割合は、全体で48.0%だった。

従業員30~99人では34.0%、100~299人では51.6%、1,000~4,999人では46.5%、5,000人以上では55.1%となっている。

事務作業の負担がある中で、多くの企業が人手不足を感じており、業務効率化が課題となっている。生成AIの導入が進む一方、AIで成果を出す上ではデータ整備や業務プロセスの標準化などが課題として挙がった。