企業の売上や商品・お金の流れを支えるバックオフィス業務で、特定の人にしか業務内容が分からない「属人化」が課題となっている。アイルの調査では、対象者の87.2%が「特定の担当者しか分からない業務がある」と回答した。

担当者が不在になると、顧客対応の遅れや在庫状況が分からないといった影響が出る場合がある。調査では75.0%がバックオフィス業務の停止は企業活動に影響すると答えた。経営層や管理職だけでなく、複数業務を抱える実務担当者にとっても、業務の共有や引き継ぎのしやすさを考えるうえで注目したい結果だ。

日々の事務作業がどのように企業活動に影響しているか、調査結果を見ていこう。

就業者の16.4%がバックオフィス業務に従事

アイルは2026年6月、全国の就業者を対象に「バックオフィス業務実態調査」を実施した。全国の就業者4,404人を対象としたスクリーニング調査では、722人、16.4%が売上管理や在庫管理、発注管理などのバックオフィス業務に従事していると回答した。およそ6人に1人にあたる。

本調査は、売上管理、在庫管理、受発注管理、出荷管理、納期管理、請求管理、仕入管理、営業事務、商品管理、店舗運営管理、EC運営、マスタ管理、データ入力、伝票処理の担当者587人を対象としている。

78.7%が複数の業務を兼務

担当している業務では「データ入力」が38.5%で最も多く、「営業事務」33.6%、「在庫管理」32.2%、「売上管理」30.3%、「請求管理」30.2%、「受発注管理」28.8%と続いた。

複数の業務を兼務している人は78.7%。内訳は「多く兼務している」が35.1%、「一部兼務している」が43.6%だった。「単一業務のみ担当」は21.3%となっている。

バックオフィスの担当人数では「11名以上」が26.1%で最多だった。一方、「1名で担当している」と回答した人も6.8%いた。

半数以上が業務時間の8割以上を社内対応に

業務時間に占める社内対応の割合では、「10割」が18.4%、「9割」が17.7%、「8割」が16.5%。合計52.6%が、業務時間の8割以上を社内対応に充てていると回答した。

日常的によく行う業務は「電話・メール対応」が58.9%で最多。「書類作成」50.1%、「Officeソフトへのデータ入力」47.4%が続いた。

一日の中で最も時間を使う業務では、「専用システムへのデータ入力」が16.2%、「Officeソフトへのデータ入力」が13.8%、「Excel・CSV加工」が12.1%と、データ入力や加工に関する作業が上位となった。

利用しているツールは「メール」61.3%、「表計算ソフト」60.5%のほか、「紙」48.0%、「FAX」35.4%という結果だった。

月末・月初などに業務が集中、70.2%が業務量の波を実感

業務が集中するタイミングは「月末・月初」が48.9%で最も多く、「繁忙期」39.7%、「決算期」36.6%、「棚卸時」24.9%と続いた。

業務量の波については、「非常に大きい」が27.7%、「やや大きい」が42.5%。合わせて70.2%が「業務量の波は大きい」と回答している。

87.2%に「特定の担当者しか分からない業務」

業務の属人化について、「特定の担当者しか分からない業務がある」と回答した人は87.2%に上った。また、59.4%が「現在担当している業務の引き継ぎは難しい」と回答した。

担当者が不在になった場合に想定される影響では、「顧客対応が遅れる」が33.6%で最多。「データの保管場所が分からない」29.8%、「在庫状況が分からない」27.9%、「システム操作が分からない」26.7%、「売上処理ができない」26.6%が続いた。

さらに、バックオフィス業務が停止した場合について、「大きな影響がある」が32.9%、「多少影響がある」が42.1%。合わせて75.0%が企業活動に影響があると回答した。

86.0%が「売上を支える仕事」と認識

バックオフィス業務を「売上を支える仕事」だと思う人は86.0%だった。

業務にやりがいを感じる場面では、「ミスなく回せた時」が40.0%で最も多く、「感謝された時」30.3%、「現場に頼られること」28.4%、「業務改善できた時」27.4%、「売上を止めないこと」26.1%が続いた。

バックオフィス業務は、受発注や在庫、請求など企業活動を支える重要な基盤だ。自社でも「特定の担当者しか分からない業務」がないか、業務の引き継ぎが難しくなっていないかを確認するきっかけにしてみてはどうだろうか。