「優秀な人材はいるのに、チームとして成果が出ない」——月刊総務が総務担当者129人に聞いたところ、8割超がこう感じていた。しかし個人の力を組織の成果に変える「チームビルディング」に取り組む企業は、5割弱にとどまる。最大の組織課題として挙がったのは「部門間の連携不足」だった。

部署をまたいだ情報共有や連携が弱ければ、優秀な人材がそろっていても、その力は会社全体の成果には結びつきにくい。総務担当者には、個々の施策を企画するだけでなく、部署を越えて協働できる仕組みづくりが求められている。

月刊総務は、全国の総務担当者を対象に「チームビルディングに関する調査」を実施し、129人から回答を得た。

8割超が「優秀な人材はいるのに成果が出ない」

「優秀な人材はいるにもかかわらず、チームとして十分な成果を発揮できていない」と感じることがあるか尋ねたところ、「とても感じる」が29.5%、「やや感じる」が51.9%だった。合わせて8割超が、個々の人材の力をチームとしての成果につなげることに課題を感じている結果となった。

組織課題の最多は「部門間の連携不足」64.3%

自社の組織課題については、「部門間の連携不足」が64.3%で最多だった。「個人最適になりやすい」が54.3%、「管理職のマネジメント力不足」と「情報共有不足」がそれぞれ52.7%で続いた。

このほか、「チーム内のコミュニケーション不足」が41.9%、「若手社員の定着・育成」が38.8%、「組織の一体感不足」が38.0%となっている。

チームビルディングに取り組む企業は5割弱

チームビルディングへの取り組み状況では、「積極的に取り組んでいる」が13.2%、「一部取り組んでいる」が34.1%で、合わせて5割弱だった。

一方、「検討しているが実施していない」は14.0%、「実施していない」は27.1%だった。「チームビルディングが何かわからない」とする回答も11.6%あった。

実施企業61社に具体的な施策を尋ねると、「1on1ミーティング」が77.0%で最も多く、「研修・ワークショップ」が67.2%、「社内イベント・懇親会」が63.9%と続いた。ほかにも、部門横断プロジェクトやナレッジ共有会、社内サーベイ、メンター制度などが実施されている。

また、チームビルディングに取り組む企業のうち、「多くの施策で外部パートナーを活用している」が11.5%、「一部の施策で活用している」が55.7%、「過去に活用したことがある」が18.0%だった。

外部パートナーを活用している41社に理由を尋ねると、「専門的な知見やノウハウを活用したいから」が80.5%で最多。「客観的な視点を取り入れたいから」が63.4%、「より効果的なプログラムを実施したいから」が58.5%だった。

実施企業の8割超が「組織課題の解決につながっている」

チームビルディングに取り組む目的では、「コミュニケーションの活性化」が70.5%で最も多く、「チームとしての成果向上」が67.2%、「部門間連携の強化」が55.7%だった。

実際にチームビルディングが自社の組織課題の解決につながっていると思うか尋ねると、「とてもつながっている」が19.7%、「ややつながっている」が63.9%。合わせて8割超が一定の効果を感じていた。

感じている変化では、「コミュニケーションが活発になっている」が52.5%で最多となり、「情報共有が円滑になっている」が50.8%、「部門間の連携が活発になっている」が37.7%と続いた。

一方、効果を何らかの形で測定している企業は約6割だった。「定量・定性の両面で測定している」が27.9%、「定性のみ」が26.2%、「定量のみ」が6.6%で、「測定していない」は39.3%だった。

効果を測定している37社が重視する指標は、「チームとしての成果」が51.4%で最多。「従業員エンゲージメント」が48.6%、「業績への貢献」が45.9%だった。

未実施の理由は「何から始めればよいかわからない」が最多

チームビルディングに取り組んでいない53社に理由を尋ねたところ、「何から始めればよいかわからない」が32.1%で最も多かった。「他の業務を優先している」が30.2%、「適切な施策がわからない」が26.4%と続く。

人員不足と経営層の理解不足はいずれも24.5%、予算がないとの回答は11.3%だった。

9割近くが今後のチームビルディング強化に意欲

今後、チームビルディングを強化したいか尋ねると、「とても強化したい」が26.4%、「やや強化したい」が62.0%で、合わせて9割近くが前向きな姿勢を示した。

今後強化したい114社に施策を尋ねると、「研修・ワークショップ」が47.4%で最多。「部署間交流会・ナレッジ共有会」が43.0%、「部門横断プロジェクト」が37.7%で続いた。

現在実施している施策では「1on1ミーティング」が77.0%で最も多いが、今後強化したい施策では36.0%だった。月刊総務は、今後は個人間のコミュニケーションだけでなく、学びや部門を越えた連携を促す施策が重視されているとしている。

調査は2026年6月11~18日に、『月刊総務』読者や「月刊総務オンライン」のメールマガジン登録者などを対象にWebアンケートで実施。有効回答数は129件だった。

「部門間の連携不足」を課題に挙げる企業が多い一方、今後強化したい施策では「部署間交流会・ナレッジ共有会」や「部門横断プロジェクト」も上位に挙がった。1on1や研修など現在の取り組みが、情報共有や部門間連携、チームとしての成果にどうつながっているかを確認してみてはいかがだろうか。