新商品が店頭やECに並ぶまでには、企画、開発、調達、品質管理、市場投入など多くの工程があり、社内の複数部門やサプライヤーとの連携が欠かせない。Centric Softwareの調査では、商品開発の遅延要因として「社内の承認プロセス」と「試作・サンプルの作成」がともに33.5%で最多だった。
さらに、サプライヤーとの商品情報のやり取りでは「メール・添付ファイル」が54.5%を占める。商品企画・開発、調達、品質管理などに携わる担当者にとって、業務のどこで情報連携の負荷が生じているのかを把握する手がかりとなる調査だ。
商品開発の遅延要因、社内承認と試作が33.5%で最多
Centric Softwareは、アパレル、化粧品、食品、家電の消費財メーカーで商品情報の管理・活用に携わる319名を対象に、「消費財メーカーの商品開発プロセス実態調査」を実施した。
商品開発が予定より遅れる際の主な要因を尋ねたところ、「社内の承認プロセス」と「試作・サンプルの作成」がともに33.5%で最多だった。続いて「部門間の調整・連携」32.3%、「サプライヤーとのやり取り」32.0%となり、上位4項目はいずれも3割を超えた。
社内承認の進捗を誰でも確認できる企業は25.4%
商品開発に関わる社内承認の進捗について、「システム上で誰でも進捗を確認できる」と回答した割合は25.4%だった。「一部の承認はシステムで確認できる」は35.4%、「担当者に個別に確認する必要がある」は30.1%となっている。
また、承認プロセスに関する課題では、「承認に時間がかかる」34.2%、「承認基準が不明確」32.9%、「承認者が不在で止まる」29.8%が上位となった。
仕様変更の影響範囲、「システムですぐに特定できる」は29.5%
商品開発中に仕様や素材の変更があった際、その影響範囲について「システムですぐに特定できる」とした割合は29.5%だった。
仕様や素材の変更は、開発だけでなく、原価、調達、品質、パッケージなど複数の工程に影響する可能性がある。調査では、変更が発生した際に影響範囲をどのように特定しているかについても実態を調べている。
サプライヤーとの情報共有、「メール・添付ファイル」が54.5%
サプライヤー・取引先との商品情報のやり取りでは、「メール・添付ファイル」が54.5%で最多だった。「Excel・スプレッドシートの受け渡し」35.4%、「電話・FAX・紙の書類」34.2%が続いた。
サプライヤー連携における課題では、「フォーマットがばらばらで転記が必要になる」が41.1%で最多。「仕様の伝達ミス・認識違いが起こる」33.9%、「どれが最新版かわからなくなる」29.6%が続いている。
48.6%が週数日以上「転記・再入力」
同じ商品情報を複数の帳票やシステムへ入力し直す作業について、「ほぼ毎日ある」が14.1%、「週に数日ある」が34.5%だった。両者を合わせると、48.6%が週数日以上の「転記・再入力」を経験している。
また、商品開発における情報管理の課題では、「部署ごとに情報が分断されている」31.0%、「情報が複数の場所に分散している」29.2%、「必要な情報を探すのに時間がかかる」27.6%などが挙げられた。
投資・強化したい領域、最多は「品質・コンプライアンス」
今後の商品開発プロセスで最も投資・強化したい領域は、「品質・コンプライアンス」が21.9%で最多だった。「承認プロセスの簡素化・可視化」20.4%、「サプライヤーとの連携強化」16.9%が続いた。
商品開発の遅延要因を自社でも確認
今回の調査では、商品開発の遅延要因として社内承認や試作、部門間・サプライヤーとの連携が上位となったほか、約半数が同じ商品情報を週数日以上「転記・再入力」していた。
商品企画や開発に携わる人は、自社の承認経路、サプライヤーとの情報共有、転記・再入力の頻度を今回の結果と照らし合わせ、どの工程で確認や入力が多く発生しているのかを整理しておきたい。
調査概要
調査名称:消費財メーカーの商品開発プロセス実態調査 調査期間:2026年8月4日〜同年8月5日。 調査方法:インターネット調査 有効回答数:アパレル・化粧品・食品・家電の消費財メーカーで商品情報の管理・活用に携わる方319名 調査機関:IDEATECHが提供するリサーチマーケティング「リサピー®︎」の企画
なお、構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはならない。





