経理のミスは、請求書処理や振込、勘定科目の選択など、日々の業務の小さな行き違いから起こり得る。しかも、計上漏れや振込先の誤入力は社内の修正作業だけでなく、財務数値の信頼性や取引先との関係にも影響しかねない。

今回の調査では、最終承認や統制を担う管理者と、日々の処理を担う実務担当者で「よく起きるミス」や原因の見え方に差があり、手作業の多さへの認識にも13ポイントの開きがあった。経理部門を管理する人はもちろん、請求書処理や振込業務を担う担当者にとっても、どこにミスが集中し、どの作業を自動化したいと考えているのかを把握する手がかりとなる調査だ。

通信費や水道光熱費などの一括請求サービス「Gi通信」「OneVoice公共」を提供するインボイスは、経理業務で発生するミスの傾向と要因を役職別に整理した「経理業務ミス分析レポート」を公開した。

調査は2025年8月15~18日、企業に勤務している人を対象にインターネットで実施。有効回答数は441人で、このうち課長・次長・部長が78人、一般社員・主任・リーダーが319人だった。

最多のミス、管理者は「勘定科目」実務担当者は「請求書処理」

過去1年間に発生したミスを尋ねたところ、課長・次長・部長では「勘定科目の誤り」が22%で最多となった。次いで「請求書の処理ミス(計上漏れ・仕訳間違い)」が20%、「振込先情報の誤入力」が18%だった。

一方、一般社員・主任・リーダーでは「請求書の処理ミス」が27%で最多。「勘定科目の誤り」が25%、「振込先情報の誤入力」が14%と続いた。

判断や承認を担う管理者と、日々の処理を担う実務担当者では、目につくミスの順位が異なる結果となった。

「絶対にミスしたくない」は請求書処理で一致

「絶対にミスしたくない」と考える業務については、管理者、実務担当者ともに「請求書の処理ミス(計上漏れ・仕訳間違い)」が1位となった。割合は管理者が29%、実務担当者が42%だった。

ただし、2位以下では差がみられた。管理者は「振込先情報の誤入力」が24%、「請求書の二重支払い」が18%。実務担当者は「勘定科目の誤り」が23%、「振込先情報の誤入力」が15%だった。

ミスの最大要因は「アナログ作業」

発生したミスの主な要因を複数回答で尋ねたところ、管理者、実務担当者とも「アナログ作業(紙・手入力)」が最多だった。管理者では36.1%、実務担当者では23.3%となっている。

「属人化(特定の人しかわからない)」は管理者が26.4%、実務担当者が17.3%。一方、「担当者の経験不足」は管理者13.9%に対し、実務担当者では19.5%だった。

このほか、「業務量の集中(月末月初など)」は管理者16.7%、実務担当者13.8%、「承認フローの煩雑さ」は管理者12.5%、実務担当者9.1%となった。

「半分以上が手作業」、管理者46%に対し実務担当者59%

経理業務のうち、どのくらいが手作業かを尋ねた結果にも認識の差が表れた。

管理者では「半分以上が手作業」が39%、「ほぼすべてが手作業」が7%で、合わせて46%だった。

実務担当者では「半分以上が手作業」が38%、「ほぼすべてが手作業」が21%で、合計59%。管理者との差は13ポイントとなった。

一方、「一部のみ手作業」は管理者45%、実務担当者24%だった。

管理者の50.0%が「振込データの作成」を自動化したい

経理業務で自動化したい作業については、管理者の50.0%が「振込データの作成」を挙げ、最多となった。実務担当者では28.3%だった。

管理者では次いで「通信費などの定型仕訳処理」が41.7%、「紙請求書のスキャン・確認」が38.9%、「承認フローの進行管理」が27.8%だった。

実務担当者では「紙請求書のスキャン・確認」が33.0%、「通信費などの定型仕訳処理」が31.4%、「振込データの作成」が28.3%となっている。

経理ミスを減らすには、管理者と実務担当者が同じ前提で業務の実態を把握することが重要となる。自社でミスが起きやすい処理や手作業の割合、属人化している工程を洗い出し、標準化やシステム化の対象を確認してみてはいかがだろうか。

調査概要

調査時期:2025年8月(本調査:2025年8月15~18日)  調査対象:企業に勤務している人(主にバックオフィス、経営者・役員など)  有効回答数:441人(課長・次長・部長78人/一般社員・主任・リーダー319人)  調査方法:インターネットリサーチ  調査主体:インボイス(自社調査)

出典:請求ABC