SNSで繰り返し共有・改変されるネタ画像や構文、ショート動画、音源などの「ミーム」は、Z世代にとって日常的に目にするコンテンツの一つとなっている。企業の公式SNSでも流行を取り入れた投稿が見られるが、ミームへの接触の多さと商品購入は別の話のようだ。

Z-SOZOKENの調査では、週に数回以上ミームに触れる人が68%に達した一方、ミームを通じて興味を持った商品を購入・利用した人は5%にとどまった。若年層向けのSNS運用や広告を担う企業にとって、どのようなミーム活用が好意的に受け止められ、どこで逆効果になるのかを考える材料となっている。

Z世代の68%が週に数回以上ミームに接触

Z世代向けクリエイティブカンパニーFiom合同会社が運営する「Z-SOZOKEN(Z世代創造性研究所)」は、全国の18〜24歳の230人を対象に「Z世代のミーム化についての意識調査」を実施した。

インターネット上のミームに触れる頻度を聞いたところ、「週に数回」が37%で最多となり、「ほぼ毎日」が31%だった。合わせて68%が週に数回以上ミームに触れている。

一方、「月に数回」は11%、「ほとんど触れない」は21%だった。

新しいミームを目にする場所では、「Instagramのリール・ストーリーズ」が32%、「Xのタイムライン」が28%、「TikTokのおすすめフィード」が26%と上位を占めた。

ミームに興味を持っても、購入・利用した人は5%

流行のミームをきっかけに、特定の商品やブランドへ興味を持った経験については、「よくある」が4%、「時々ある」が15%で、計19%だった。

しかし、ミームを通じて興味を持った商品を実際に購入・利用したことがあるかを聞くと、「はい、購入(利用)した」は5%にとどまった。「いいえ、興味は持ったが購入(利用)には至らなかった」は95%だった。

ミームへの接触頻度が高くても、商品への興味や実際の購入・利用までつながる割合には差があることが示された。

企業のミーム投稿、46%が「上手ければ面白いが、サムいことも多い」

企業やブランドが公式SNSアカウントで流行のミームに乗った投稿をすることについて、46%が「上手ければ面白いが、『サムい』ことも多い」と回答した。

「流行に便乗している感じがして、あまり好きではない」は25%、「面白いし、その企業に親近感が湧く」は18%、「企業の品位を落とすので、やめた方がいいと思う」は11%だった。

この結果では、企業によるミーム活用そのものを肯定・否定するというより、使い方によって受け止め方が分かれている。

39%が「下手だと、むしろネガティブなイメージになる」

企業がミームを使うことで、その企業や商品へのブランドイメージがどう変わるかについては、「下手だと、むしろネガティブなイメージになる」が39%で最多だった。

「上手く使えていれば、とてもポジティブなイメージになる」は25%、「特に変わらない」は21%、「少しポジティブなイメージになる」は15%となった。

企業のミーム投稿に対して「いいね」や「シェア」をしたくなる要素では、「『公式がこんなことやってる!』という良い意味でのギャップ」が46%で最も多かった。

次いで「誰もが知るミームを、その企業らしく上手くアレンジしている」が27%、「ミームを通じて、企業の『中の人』のユーモアや人間味が感じられる」が24%、「商品やサービスの特徴が、ミームによって面白く、分かりやすく伝わる」が20%だった。

購買意欲を高めたのは「5万人規模の面白いインフルエンサー」66%

同じ商品について、「100万人のトップインフルエンサーによる作り込まれたPR動画」と「5万人規模の面白いインフルエンサーによるミーム紹介」のどちらが購買意欲を高めるかも尋ねた。

結果は「5万人規模の面白いインフルエンサーによるミーム紹介」が66%、「100万人のトップインフルエンサーによる作り込まれたPR動画」が34%だった。

「センスが良い」の判断基準、最多はオリジナリティ49%

企業のミーム活用を「センスが良い」と判断する最大のポイントでは、「オリジナリティ」が49%で最多となった。

次いで「コミュニティ理解」が28%、「スピード」が14%、「クオリティ」が10%だった。

流行へ早く乗ることを示す「スピード」より、その企業ならではの表現を示す「オリジナリティ」を挙げた人が多い結果となっている。

なお、調査レポートでは、企業のミームマーケティングで「最もやってはいけないこと」についても聞いており、「不謹慎・差別的なネタ」が44%で最多、「過度の頻度」が36%で続いた。

Z世代向けのSNS施策を考える際は、ミームへの接触率だけで効果を判断せず、ブランドらしい表現になっているか、生活者にどう受け止められるかも確認したい。投稿への反応と実際の購入・利用を分けて見直す際に、今回の調査結果を参考にしてみてはいかがだろうか。

調査概要

調査名:Z世代のミーム化についての意識調査 調査対象:全国のZ世代(18歳〜24歳) 調査期間:2025年8月〜9月 分析・レポート作成期間:2025年10月〜2026年8月 調査方法:インターネットを利用したアンケート調査 有効回答数:n=230 調査分析:Z-SOZOKEN(Z世代創造性研究所) 運営:Fiom合同会社